2014年10月23日木曜日

水昆王討伐戦記

こんにちは。以前水班伊豆大島合宿における貝博物館の記事を書かせて頂きましたK室です。今回は、10月12日における水生昆虫採集について報告させて頂きます。
午前7時、高田馬場のレンタカー屋に六人の戦士が集結した。他にも一名参加予定ではあったが、前日に発売されたゲームで一狩り行ったが故、まさかの寝落ち。俺達のクエストはこれからだというのに・・・。次回の彼の参戦を願うばかりである。
この日のターゲットは、日本の水生昆虫の中でも圧倒的強さを誇る、田園の王者「タガメ」である。水生カメムシの分際で、あるまじき程巨大な図体と、威圧的な鎌を持つ、食物連鎖に反旗を翻したような存在。悲しいかな、最近では農薬や護岸工事などによりめっきり姿を消しているというが、その雄々しい姿を一目見ようと、俺達は決起した。
先輩に車で連れられて、北関東の某所にまで向かうが、あいにくこの日は三連休の二日目ということもあってか、渋滞に巻き込まれてしま う。やっとのことで目的地に辿り着いたのは正午過ぎ。王者タガメ筆頭、他にも水生昆虫を採りたいとの一心で、早速長靴に履き替えて小川に進撃する。
しばらくすると、一年のN本がタイコウチを捕獲した。


その後次々とタイコウチが採れる採れる。この辺りはタイコウチが多いらしい。少しばかりタガメに似たような形をしているものの、どこか覇気を感じられない・・・。
時期からして、稲刈りも既に終わり、田んぼの水もかなり少なくなってはいたが、一縷の希望を胸に、ひたすらタモ網でガサガサすると・・・
ヒメゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ヒメガムシがウジャウジャ!小さいとは言え、立派な水生昆虫。どれも初めて見るものばかりだったので、個人的には嬉しい。さらに幸運なことに、クロゲンゴロウも姿を現してくれた。


クロゲンゴロウ(中央部黒い塊)
この一帯はゲンゴロウの種類がなかなか豊富であった。ただ、これだけ環境が整っているにも関わらず、王者は姿を見せてくれない・・・。


コシマゲンゴロウ


ヒメゲンゴロウ


クロゲンゴロウ
余談だが、他にもクロゲンの採れる可能性を信じて水溜りに罠(イワシ入り)を一つ沈めたものの、罠の大きさに似合わず、コシマ一匹しか入らず・・・。過去、ナミゲン相手に勝利を収めた兵器だが、どうも調子がすぐれないようだ。


次に場所を変えたところ、道中至る所にカマキリがいた。そのため、偶然トンボが着地した傍にカマキリがいらっしゃったという哀れな場面も。


before


after
新しい採集場所は、どうやら休耕田のようで、湿地のようになっていた。先に採集を始めた鯵先輩が、シマゲンゴロウを捕獲!コシマとは異なり、黄色い線の美しいゲンゴロウだ。


湿地をすくっていくと、沢山の水昆が網に入った。


ガムシ。六本の足をフル稼働して泳ぐ。ずんぐりとして可愛らしい虫だが、上から見るとまんまG。手に乗せて歩かせると更にG。黒光りする前羽からして、どう見てもアイツ(台所の王者)を連想させてしまう・・・。


コガムシ。


アカハライモリ。
他にもヒメゲン、コシマゲン、タイコウチも見つかった。コオイムシとタイコウチは次々と網に入ってくるので、しまいにはウンザリ。「腐るほどいる」と言うのはまさにこの事。ここでもタガメを見つけることは叶わなかった。
場所を変え、泥にまみれ、疲労のみが溜まっていくが、虫班直伝「不屈の心」をスローガンにひたすら探す。だが、手に入るのは今まで述べた水昆ばかり。その他と言えば、ハイイロゲンゴロウ一匹と、マツモムシがそこそこ泳ぎ回っていたことか。


ハイイロゲンゴロウ
この日の戦果をまとめた。
・ケシゲンゴロウ
・シマゲンゴロウ
・コシマゲンゴロウ
・ヒメゲンゴロウ
・ハイイロゲンゴロウ
・クロゲンゴロウ
・ガムシ
・コガムシ
・ヒメガムシ
・ゴマフガムシ
・タイコウチ
・コオイムシ

こうして見ると、目ぼしい水昆は殆ど手に入れていることが分かる。個人的に欲を言うのならミズカマキリも欲しかったところだが、タイコウチと生態的地位が似ているのか、一匹も見かけることはなかった。これ程多種多様の水昆の生息する環境ではあったにも関わらず、夕方六時の日没まで粘った挙句、一匹もタガメを採ること能わなかったことが悔しい。やはり王者は王者なのだと痛感した。ただ、上記水昆の殆どが初見なため、個人的にはこれはこれで満足している。次回、タガメと相まみえる日が来るまで、この日捕まえた彼らを大事に育ててあげようと思う。水昆王との再戦を固く誓った俺達であった。
生体写真は帰宅後に撮影したものが多々ありますが、ご了承下さい。
最後までお目通し頂き、本当にありがとうございました。

0 件のコメント:

コメントを投稿