2017年11月28日火曜日

【鳥班】2017年11月韓国遠征レポート

鳥班のNです。
11月16日から18日の3日間、鳥班は韓国に行ってきました!


そして、この遠征はただ行くだけではありません。
韓国・群山(グンサン)市の高校生と一緒にバードウォッチングを行う、国際交流活動です。この記事では韓国でどのような活動をしたか、レポートしたいと思います。

2017年10月21日土曜日

11/4(土),5(日)の早稲田祭に参加します!


 今年も早稲田大学の文化祭、早稲田祭の季節がやってまいりました!

 生物同好会は今年も早稲田祭にブースを出展いたします!
 開催日は11月4日、5日開催時間は10時~17時です。場所は早稲田キャンパス6号館315教室です。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、古い趣のある建物を3階まであがってきてください。


 早稲田祭では、両爬の各班が様々な生体やら標本やら作品やらを展示します。生きものに興味がある方にはもちろん、興味ない、知らない、虫キモイ!、という方にもきっと「生き物面白い!」と思ってもらえるような展示をしますので是非お越しください!

 早稲田祭の人混み・騒音につかれちまったぜって方も是非。早稲田祭自体も、学生数無駄に多いだけあって豪華で創意工夫に富んだとても楽しいイベントです。どなたさまも気軽にお越しください!普段見れないもの、今まで知らなかった世界を知れるかも!?

 詳細な情報は生物同好会のTwitterアカウント(@w_sdk)で順次アナウンスしてまいりますのでそちらも是非ご確認ください。質問等の連絡も常時受け付けています。

 以下、昨年度の早稲田祭での出展の様子。













同好会員一同、皆様のお越しを心よりお待ちしています!
(文責:虫班員M)

2017年9月19日火曜日

夏合宿2017in沖縄~虫・両爬班編~

 9月中旬、同好会は沖縄に合宿に行ってまいりました!自分は虫・両爬組として活動したので、その活動記録を記したいと思います。

〇前入り1日目
 自分含め数人は全体の集合日より早く前入りしました。昼頃に那覇空港で先輩二人と合流し車を調達。天気は悪くないので早速大きな公園へ採集に行きます。

 公園に着くと早速ちょうちょが飛んでいるのが見えました。各自網をもって森の中に入っていきます。進んでいくと道沿いの植木にツマベニチョウが現れ、先輩が無事ネットイン!今合宿初虫です。なかなかいいスタート!
 一方自分はというと、、、実はここ数日もろもろの過労がたたって初っ端からグロッキーモードでした...。なんかめっちゃ喉痛いし。
 ただ沖縄まで来てそんなこと言ってられないので、頑張って蝶を探します。ツマムラサキマダラとかリュウキュウアサギマダラとかが飛んでましたが、とりわけでかいのを見つけたのでこれはと思いネットイン。


 日本最大級の蝶、オオゴマダラです。新聞紙なんてあだ名もあるそうですね。確かに飛んでるとバッサバッサって感じです。
 
 他にも、

ナナホシキンカメムシ。南方系の美麗カメムシ。無数にいた。きれいと安易に手にとってはいけません。カメムシなので当然臭いです。(経験談)

オキナワキノボリトカゲ。しっぽ長い。絶滅危惧Ⅱ類。

 この他に日当たりのいい石垣の周りでは、タテハモドキやアオタテハモドキが見られました。しかし沖縄の日差しはなかなか体にこたえ、しんどくなった自分は早々に木陰のベンチに退避しグッタリ。近くの自販機で買ったスポドリを飲みながらぼーっと近くの松を眺めていると、大きなタマムシが枝に飛来しました。さすがに元気を振り絞って網を取ってきて掬うと、正体はウバタマムシ。奄美以南のウバタマムシは体色が緑味を帯び、アオウバタマムシと呼ばれます。写真を撮り忘れましたがなかなかにきれいでした。
 一人で喜んだあと再びグロッキーモードでベンチに横たわっていると、前方のフェンスに動く影。今度は何かと近づいてみると、


 アオカナヘビでした。アオカナヘビといえば非常に鮮やかな緑色を思い浮かべますが、こいつは褐色個体。アオカナヘビは見たかった動物でしたが何ともな感じです。

 しばらくすると先輩が帰ってきて夕方前に撤収。次はお買い物に行きます。

 やってきたのは那覇が誇る(多分)一大商業施設、那覇メインプレイス!田舎にあるでかいイオンに映画館をプラスした感じの場所です。ここに来れば一通りのものは揃いそう。さすがメインプレイス。ここでバナナトラップの材料を調達しました。大量のバナナを買い、発酵用のドライイーストと酒を買い、先輩と男二人で百均のストッキングを吟味し、ついでに水昆採集用の網(108円)も調達。買い物を終えると夕飯を食べて、再び空港へ。遅れて早入り(?)する後輩を迎えに行きます。

 後輩を拾ったら、今度は再び昼間に行った公園へ。さて夜になるとどんな生き物がいるんでしょうか。
 懐中電灯を照らしガヤガヤ喋りながら入っていくと、ベンチで一組のカップルさんがおしゃべりしてるところでした。「あ、、、ごめんなさい、、、」って感じ。お二人の雰囲気をぶち壊しながら街灯やトイレをチェックしますが特に何もなし。やっぱり時期が悪いか。イチジクカミキリとかいないかな。
 そのまま森の奥へ進んでいきます、、、が足元には大量のアフリカマイマイ!道のいたるところにおびただしい数がはい回っています。知らない方に説明するとアフリカマイマイはバカでかいカタツムリです。名前通りアフリカ原産の外来種で、最大で殻高が20センチほどに達する世界最大のカタツムリ。危険な寄生虫を有しており、本体はもちろん這った跡に触れるのも危ないとのこと。
 日中も随所で見かけますが、夜はこんなにいるのか。踏むのが怖くてずっと下を見て歩いちゃうので、ルッキングどころじゃないです。
 でもなんとか道の周りに目をやると、こちらもやはり大量の黄色いカエルが側溝に張り付いていました。リュウキュウカジカガエルかな。体色には変異があるそうですがここの固体は黄色いものばかりでした。
 さらに側溝を見ながら歩いていくと、、、


 クロイワトカゲモドキ!レオパことヒョウモントカゲモドキと同じトカゲモドキの仲間です。ラインが入った暗褐色の体に太い尾、赤い眼がめちゃくちゃかっこいいです。ペットにしたい!と思いますがそんなことしたらお縄になっちゃいます。クロイワトカゲモドキは沖縄県の天然記念物で、2015年には種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されています。絶滅危惧Ⅱ類とのことですが、この日は4匹のクロイワトカゲモドキを観察できました。どうやら個体数は少なくないようです。保護の成果ですかね。

 その後は特に成果なくこの日の活動は終了。明日は水昆を探したりバナナトラップを設置したりします。


〇前入り2日目
 2日目の前半は水昆ポイントを求めて北部で水場を巡りました。正直この日は引き続きグロッキーでところどころ記憶が無いです。先輩すいませんでした。
 なので写真でダイジェストで。

オキナワハンミョウ。林道にいっぱいいた。

ミナミオカガニ。用水路の一角にスッポン2匹と共にいた。超でかい。個人的ナンバーワン。

見づらいけどオオウナギ。こちらも用水路にて。

網で捕まえようとしたけど失敗...

 こんな感じでした。水昆?なんだそれは、そんなもの探してないよ。
 右手にでかいカニ、左手にスッポンを持った時が今合宿の僕のピークでした。いい笑顔でした。

 後半は林道2本にバナトラを仕掛けたのですが、この時はおおよそ車内で死んでました。先輩ごめんなさい。先輩がミドリナカボソタマムシを採ってきたのは覚えてます。

唯一クロマダラソテツシジミだけ撮ってた

この日はとても鮮やかな夕焼けでした。これが何の予兆かは明日分かります。

 夜は遅めの早入りの先輩を一人空港で拾い、A&Wで夜ご飯を食べました。A&Wは日本では沖縄のみで展開するファストフードチェーンなのですが、ここで提供されているルートビアという摩訶不思議な飲料は一度試してみる価値があります。病みつきになった先輩曰く、「これはヤベーもんが入ってる」とのこと。沖縄に行かなくてもドン・キホーテで買えるので、飲んだことが無い方は是非一度お試しあれ。ちなみにA&Wの店舗ではルートビアはおかわり自由です。あとA&Wのバーガーはとてもおいしいです。この日は、パパバーガーという少し大きめのバーガーを頼むと、ママバーガーという普通サイズのバーガーが無料でついてくる、という大盤振る舞いなサービスをしてました。火曜日限定のサービスらしいので火曜日はぜひA&Wへ。なおさすがに途中で飽きます。


〇全体1日目
 前入り期間が終わり、今日は全員集合の日です。が、なんと台風が来ています。薄々分かってたので今更驚くこともないですが、どうやらこの台風、この合宿が終わるまで沖縄近辺に留まるようです。そして合宿終了と同時に、全盛期の江川卓も真っ青の鋭いカーブを描き列島を襲撃するようです。今日他の同好会員が沖縄に来れるのかも、僕らが合宿最終日東京に帰れるのかも分かりませんが、合宿中ずっと沖縄の天気は大荒れということだけは分かります。いやはや日頃の行いか。

 ただそんなこと心配してもどうにもできないのでいざ採集へ。空港へは昼にみんな集合するので、午前中は時間があります。ということで昨日採れなかった水昆を求め沼へ。


 こんな感じの沼に、今朝ワークマンで買った胴長で入っていきます。なお胴長は2名のみ、武器は1名以外百均の子ども網という重装備ぶりです。この沼、「深い」っ!とかお決まりネタをやりながら沼にズボズボ突っ込んで行きますが、簡単にはゲンゴロウは採れません。そもそも何ゲンゴロウを探してるんだっけか。早々に靴が泥にやられて萎えた自分は岸で草むらを眺めていました。台風目前のこの風雨でも、トンボは健気に飛んでおり、南方系のオキナワチョウトンボやコシブトトンボが見られました。
 非胴長組が何とも言えない表情で立ちすくんでいると、沼の奥まで行った果敢な後輩が「なんか大きいの採れました!」と声をあげました。見に行く元気もないので持ってきてもらうと予想以上の大物。


 大きさは30ミリを超えています。ヒメフチトリゲンゴロウでしょうか。国内では減ってきているそうなのでお手柄かも。
 ヌルを免れホッとして空港へ向かいます。

 さて空港に着くと同好会員がすでに何名か集まっていました。うちの合宿は現地集合で航空券も各自調達なので、到着はバラバラです。ただどうやら一番多くの同好会員が乗っていた便が、到着予定時刻になっても到着の連絡が入りません。条件付き運航となっていましたがこれはもしや...。しばらくするとラインに最悪のメッセージが届きました。悪天候で着陸ができず、東京に引き返したとのこと。まじか...。他の便は全て降りたのになぜこの便だけ!?よりによって一番大勢乗ってた便!?てかこいつら着陸してない機内からどうやってラインしたの!?
 色々思うことはありますが、とにかく全体のおよそ3分の1のメンバーが来れなくなってしまいました。となりで合宿幹事が頭を抱えています。自分も個人的事情により相当へこんでいました。

 しかしやはりこればっかりはしょうがないので、電話するとこに電話し、全体の車を調達しみんなで宿に向かいます。自分が運転を担当する車に案内してもらうとき、C-HRがたくさん並んでいたので少し期待したのですが古いインプレッサでした。
 宿は沖縄中部の名護です。いつも思いますが沖縄は縦長で移動効率がとても悪い。北と南を行ったり来たりです。沖縄西岸を走る国道58号線を何回走ったことか。

 宿に着くとみんなでひとしきり脱力モードになり、いつのまにか夜になっていました。とりあえず夜ご飯だけは食べに行きこの日はおしまい。明日なにしよ...。


〇全体2日目
 あさ。あめ。いたしかたなし。くらいの頭の回転具合で朝ご飯を食べ、出発の準備を整えます。風雨は強まったりやんだり不安定ですが、ずっと土砂降りというわけではないので採集にはでかけます。しかしちょうちょは厳しそう。ということでまずはルイスツノヒョウタンクワガタを狙うべく某山へ出かけました。
 ルイスは材割りなので雨でも関係なしです。ただこの採集にはもう一種ターゲットがいます。それは天然記念物イボイモリ。黒くゴツゴツしててミニゴジラのような、伝わる人には伝わる魅力のイモリくんです。自分は材割道具も持たず最初からこいつ一本狙いです。

 山に着くと幸いにも雨はほぼ止んでおり、みんなでわらわらと細い林道へ。
 イボイモリは主に石や木をひっくり返して見つけます。アカハラと違い陸性が強いので水に浸った石は無視。いい感じの石をひたすらめくっていきます。すると...


 いた!でかい!!
 実は去年も同じ場所でイボイモリを見ているのですが子どもだったので、そもそもイボイモリを知らなかった自分にはイマイチ響かなかったのですが、こいつは良い!なかなかにかっこいいです。林道に無数に転がる石をひたすらめくり、狙い通り見つけられたというのも嬉しいです。

 自分がイボイモリを見つけるのと同時に後ろで先輩がルイスを出したようで、後輩はどっちを見に行ったらいいのやら状態でした。

 その後も少し離れた沢沿いで先輩がイボイモリを発見。

かっこいい


 また、別の先輩はイボイモリの子どもも見つけていました。
かわいい!足が赤いことが分かります

 イボイモリもやはり種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されており、おさわりはNGです。絶滅危惧Ⅱ類ですが、クロイワトカゲモドキと同じく、個体数はそこまで少なくないのではとの印象を持ちました。陸性が強いイメージでしたが、どの個体も沢の至近距離で見つかりました。

 イボイモリに沸くそばではしっかりルイスも追加。こちらはやはりまとまって見つかる傾向にある模様。

ルイスツノヒョウタンクワガタの顎。刀掛けの鹿角的な。

オキナワカラスアゲハ。この風雨でもそこそこ蝶は見られた。

 途中で先輩がガードレールについてたアオムネスジタマムシを採ってました。こんな天気でもいるもんですね。

アオミオカタニシ。緑色は殻内の本体の色。

 このアオミオカタニシは先輩がえらく気に入っていたのですが、雨のおかげか相当数が林内各地で見られました。なんといってもこの緑色が目につきますが、これは殻の色ではなく中身の外套膜の色です。内臓の色、なんて言ったりしますが外套膜は内臓とはやや異なり、内臓を覆い体を包む壁の役割をします。そして多くの軟体動物はこの外套膜からの分泌物で貝殻を生成します。
 さらにこいつは一見カタツムリですが、名前の通りあくまで陸生タニシです。その証拠に、カタツムリは触角が2対で眼は触角の先端ですが、アオミオカタニシは触角は1対で眼は触角の根本です。
 ちなみにこいつ、大量にいるくせに準絶滅危惧種です。環境の変化等に加えて、前述のアフリカマイマイとの競合を心配する声もあるとか。

 林道でひとしきり目標を果たし車に戻ると、途端に土砂降りになりました。結構運いいのかも。

 しかし大雨になってしまったので特にやることもなく、去年リュウキュウアオヘビとか各種蝶とかが見られた場所へ。
 ここは近くに川があり、覗き込んでみるとバカでかいテナガエビが!おそらく日本最大のテナガエビ、コンジンテナガエビでしょう。絶命寸前の百均網を持って昨日買った百均ビーチサンダルで川に入ります。しかしいざ採ってやろうと探し始めたそのとき、雨が一気に本降りになりそれどころではなくなってしまいました。全身ずぶぬれになり、やってられんって感じです。その後もやんだかと思い川に下りると再び雨が降り出して退散、というのを数回繰り返しました。やはり人間台風には勝てない。それでも後輩はめげずに川に入っていましたが、台風時の河川は普通に危ないので機を見て撤収。一度宿に帰ってシャワーを浴びました。

 その夜は同好会員みんなで集まって楽しく宴会!別行動だったグループと成果の話に花を咲かせて、生活水準を急上昇させました。虫班のみの活動はときに憲法25条に反するほど過酷なので。ところで自分はジンジャーエールが好きなのですが、さすが沖縄、卓上にシークヮーサーがあったのでジンジャーエールに絞ってみると、それはなんとも絶品でした。みなさんも是非。

 さて幸せな時が過ぎ、ここで大人しく宿に帰る虫班ではありません。ここから直接夜間活動に向かいます。
 
 ただ悪天候ゆえ灯火はたけず、基本的にはバナナトラップの見回りになりました。

山中深夜徘徊


 バナトラもさすがに集客は芳しくなく、♀のクワガタがぼちぼちといったところ。虫が来てるだけ立派でしょう。オオトモエはそこそこいました。
 林道を運転中、蛇とのエンカウントが2回。1回目はヒメハブ。2回目はアカマタでした。
 アカマタは結構見たかった蛇です。赤と黒の美しい体色に大柄な体、非常に獰猛な性格で知られています。
イケメン

 この他は深夜のテンションで合宿幹事が壊れてしまったくらいの夜でした。
 突然の豪雨の中、寂しい国道58号を車を走らせ、宿に帰ったのは夜の三時。いやはや疲れます。


〇全体3日目
 今日はどうやら雨が途切れ、晴れ間も期待できると言うことでちょうちょ採集へ。

 ポイントの山へ向かうと、林道沿いの花畑に無数の蝶が集まっていました。まだ風は強いですが、ここ数日の荒天で活動できなかった蝶がいっせいに出てきたのでしょうか。とにかくかなりの数でした。

花畑の一角。黒く見えるのがすべて蝶。

ジャコウアゲハ。群れはほとんどこいつ。

 ただ大量の蝶のほとんどはジャコウアゲハ。その中にシロオビアゲハが多少交じり、リュウキュウアサギマダラやツマムラサキマダラも少しいる、といった感じです。上を見上げると時折ナガサキアゲハが飛んでいます。ふと見るとみんなが集まっていたので行ってみると、なんとコノハチョウが枝に止まっていました。台湾では採集しましたが日本で見るのは初なので感動。

 さらに山を登ったところでは、より多くのコノハチョウを見ることができました。ここはかなり個体数が多いようで、道を歩いていると頻繁にコノハチョウが飛んでいる姿を目にしました。あるときは視界に同時に5匹なんてことも。横を急に飛ばれて何度網をふりかけたことか。
 コノハチョウは沖縄県の天然記念物で、県内での採集はできません。レッドリストでも準絶滅危惧種に指定されています。
 ただあの黄色い紋が羽ばたくのを見た瞬間、網を握る手に力がこもるのが虫班員の性。大きく綺麗で面白い、本当に良い蝶です。

裏面

表面。

 コノハチョウは飛んでばかりであまり止まらず、止まっても高いところで翅を閉じて止まるので、開翅写真はやや持久戦でした。トラップに来ているとじっと止まって頻繁に開翅するイメージだったのですが、曇天の特に何もないところではこんな感じなんでしょうか。

 ひそかに期待していたリュウキュウムラサキはここでは一頭目撃するにとどまりました。

アオカナヘビ。赤いサシガメの仲間を食べていました。

 このポイントでの採集は切り上げ、次はシリケンイモリのポイントへ。別の場所で活動していた組がシリケンイモリのポイントを見つけ、教えてくれました。逆にシリケンを採集していた組は自分たちと入れ替わりで蝶採集へ。

 シリケンポイントに着くとみな網と容器を持ち出発。先に行ってた組のように大漁ではないもののぼちぼち採れたようです。なんで突然他人事風かというと、その時自分は車内に残り、タイムリミットが迫る大学の先行科目登録と格闘していました。なぜこんな沖縄の山中で資料もなしに科目登録せにゃいかんのか、登録期間短すぎだろ、事務何考えてるんだ、などとグチグチ言いながら友人を頼り無事終了。

 一方蝶採集に行った別組はコノハチョウには出会えなかったようでしたが沖縄の蝶をもろもろゲットしているようでした。

ツマベニチョウ

ナガサキアゲハ♀

ツマムラサキマダラ

イシガケチョウ

 この後は再び別組と合流し、大学生らしく海に行って浜辺を歩き、夕日を眺めながら談笑していました。
 浜に突風が吹きすさび厚い雲が夕日をほぼ遮っていたことを除けば、良い情景だったと思います。体は潮風でベッタベタになりました。海なんて行くもんじゃないですね。

 体力をそがれたので夕食に向かいました。せっかくなので沖縄料理屋に行き、自分はグルクン(タカサゴ、沖縄の県魚)のから揚げ定食をいただきました。姿揚げみたいなスタイルで、とても美味しかったです。別組は思考停止A&Wへ行きました。

 そして今夜ももちろん夜間活動に向かいます。
 まずはトラップの回収。別組の車とはぐれたり色々ありましたが無事トラップは回収。♀ばかりでしたがいくらかクワガタを追加したのと、思わぬ出会いが1つ。

オキナワネブトクワガタ

 そうか、ネブトもいるのか...。まぁそりゃいるわけですが、オキナワヒラタばかり頭に浮かべていて一瞬何か分からなかった。オキナワネブトは国産ネブトクワガタの中でもとりわけ小さい種類のようで、この個体もかなり可愛らしいサイズでした。そりゃ地味だわ、オキナワネブト。

 その後は何やらよく分からない奥地の林道まで分け入りカエル探し。本命はイシカワガエルでしたがそう簡単には出会えませんでした。

ホルストガエル

シリケンイモリ。金箔乗ってますね。

 その後はすっかり疲れ果てて、みんなで林道に座り込んで深夜のおしゃべりタイム。見上げると雲の合間からきれいな星空が見えました。周囲に明かりという明かりはほとんどない山奥なので、なんだか非日常な感じです。流れ星が一筋見えました。

 しばらくしたら再び車に乗り込み宿へ。これで今合宿の採集は終わりです。相変わらず帰りの58号線は寂しいもので、宿に着いたのは4時でした。


〇全体4日目
 
 この日はみんなで空港に戻り解散するだけです。宿を出る集合時間には当然遅刻し、実質2,3時間の睡眠で空港に向かいました。空港に着いたら現地解散。帰りの便は遅延が多かったですが無事全便飛びました。
 さすがにみんなお疲れの様子で、特に合宿幹事はほぼ死んでました。本当にお疲れ様でした。自分と合宿幹事の先輩は夜の便だったので、暇な時間唐突に二人で首里城観光に行ったのですが、行きのモノレールでは景色も見ずに爆睡し、終点で地元の女子中学生に起こしてもらう始末でした笑。ちなみに首里城は少し遠くから石垣を眺めるあたりがピークです。石垣はまさに城塞って感じで立派です。首里城本体は「うん。」って感じです。守礼門はめっちゃしょぼいです。ただ首里城内の展示は充実しているのでじっくり見て回るといいと思います。
 そんなこんなで空港に帰ってきて、先輩とも別れ夜の便で羽田に帰りました。機内では離陸と同時に眠りに落ち、着陸の衝撃で起きる感じでした。多分他のみんなもそんな感じだったんじゃないでしょうか。
 
 台風をもろにくらって中々思い通りにいかないことばかりだったと思いますが、各班それはそれとして台風なりの沖縄を楽しんでいたかと思います。天気とはどうしようもないもので、どんな環境でもそれ相応に自然を楽しむスキルというのも、同好会員に無くてはならないものでしょう。
 
 ただ、ただ一つ。これだけは最後に。

 来年は台風来ない場所にしましょう。
 (僕は瀬戸内海に行きたいです。)

 何はともあれみなさん本当にお疲れ様でした。

(文責:虫班員M)

2017年9月2日土曜日

台湾蝶採集記2017

 今夏、二年生虫班員三人で台湾へ人生初の海外採集に行ってまいりましたので、その始終を報告させていただきます!タイトルの通りメインはちょうちょです。


・1日目
 GWの北海道遠征以来三か月ぶりの成田空港を発ち、地味にしんどい三時間半のフライトを経て台北・桃園空港へ着いたのは現地時間16時。空港のお姉さんがいかにもな台湾美人でした。空港から出た瞬間、手で押せそうなくらい重い温風が体を包みます。
 今回の宿泊先は台湾のちょうど真ん中あたりの山中の昆虫館。車で空港から二時間半ほどの距離でした。

車窓から臨む台北の街並み。発展著しい台湾に日本が抜かれる日も近いか?

 昆虫館に着いたのは18時半ごろ。館長さんにお土産の煙草を渡し、部屋に荷物を置きます。

部屋の様子。意外と広い一人部屋。毎夜大量の蟻とベッド争奪戦を繰り広げた。

 館長さんが晩御飯をおごってくれるとのことで、車で10分ほどの近くの町へ。ローカルなお店で牛肉麺をいただきました。
イイ雰囲気
牛肉麺。奥に見えるのは山盛りの水餃子。

 台湾に行かれた方は分かると思いますが、台湾の味付けは日本人にもなじみやすく、とっても美味しいです。また物価も日本よりだいぶ安く、普通の町中の飲食店では大体の一人前のメニューが300円やそこらでいただけます。
 宿に帰ると、館長さんが点けてくれていた昆虫館前の水銀灯をさっそくチェックしに行きました。すごい虫はなかなかいませんが各種蛾やクワガタの♀などがいました。

宿前の水銀灯。すぐ脇の街道を深夜もトラックがかっ飛ばしていく。
たくさん来ていた蛾。ルリモンホソバだろう。黒紋は光が当たるとメタリックブルーに輝く。
こちらもたくさん来ていた。オキナワルリチラシの台湾亜種だそう。
ルリオビクチバの仲間。
キマエコノハ。後翅はアケビコノハのような鮮やかな黄色に黒紋。
昆虫館入り口のすぐ近くでとれたクロツヤムシ。でけぇ!

 23時半まで水銀灯を見てから部屋に戻り、なんやかんやありこの日はかなり遅めの就寝になりました。いよいよ明日から本格的な採集です!実は怠惰のあまりちゃんと事前勉強してないのですが、さて何が採れるんでしょうか?


・2日目
 7時に起きる...つもりだったのですが1時間の時差をすっかり忘れていて日本時間7時(現地時間6時)に起床。出発まで時間があるので昆虫館前の館長の畑を散策します。畑には各種蝶の食草や花も植えてあり、多くのマダラチョウやアゲハの仲間などが見られました。数は多くないですがツマベニチョウまで飛んでました。

畑の様子。写真のタイワンモンキアゲハは台湾で最も多くみられたアゲハと思う。 
道端にドラゴンフルーツが落ちている朝の風景

 全員の準備ができたら荷物を車に積み込み8時に出発。車は三菱・デリカスペースギア。この車のアウトドア性能がこれから五日間いかんなく発揮されます。途中お店によって朝食を食べ、お弁当を調達し今日の採集地へ。
 途中信じられないくらいボッコボコの長い山道を経て、9時ごろに標高高めの今回の目的地へ到着。天気は快晴、気温は31℃。美白を気にしない筆者でも日焼け止めが欠かせません。

こんな感じの林道

 林道沿いにガイドさんが腐らせたパイナップルを仕掛けてくれるのでそれも見ながら林道を歩きます。車を降りた瞬間に分かるくらい多くの蝶が飛んでいました。

タカサゴイチモンジ。深みのあるグラデーションが美しい大型種。大好き。
タイワンツノカナブン。角は男のロマンです。角のサイズは個体差が大きい。
ケバネカナブン。微毛に覆われた体はマットな赤色をしています。
ワタナベアゲハ。発達した赤紋が美しい。後翅に白紋が加わる貴重なメスも採れました。
オオベニモンアゲハ。細くとがった翅の形が印象的。
ルリモンアゲハ。お前に会いたかった。見づらいが後翅上部に鮮やかな瑠璃紋がある。
メスシロキチョウのオス。実はシロチョウの仲間。オスキシロチョウの方が良いんじゃ...?
タイワンモンキアゲハとルリモンアゲハの集団給水。標高を下げた川沿いにて。

 他にもキンミスジ、タイワンコムラサキ、日本でもおなじみアオスジアゲハ、ルリタテハ、スミナガシなども多くみられました。
 沢山採りすぎると後々展翅がたいへんなのでセーブするつもりだったのですが、見たことない蝶がたくさん飛んでいる光景にテンションが上がりっぱなしでこの日はやや採りすぎました。昼下がり、蝶も減り僕たちの疲労もピークに達したので撤収。16時ごろに宿に帰宅しました。

 宿に帰るとガイドさんたちが、自分たちが採った大量の蝶をなんとどさっと僕たちにくれました。「こ、こんなにいいんですか...?」と思いながらもありがたく頂戴し、部屋に帰ると山分けじゃんけん大会兼同定大会を開催。いかんせん分からない種類が多すぎたので、館長さんから借りた古い原色図鑑でひたすら勉強しました。
 
 この日の夜は館長さんが夜市に連れて行ってくれました。台湾の夜市と言えば一般の観光でも有名ですが、かなり規模が大きく、地元の人も多く来ています。普段は広大な空き地のスペースに、金曜土曜限定で大量の屋台、露店が結集し、日用品から飲食物、輪投げや射的、服や時計までとにかく様々な品が並びます。

夜市の様子。とにかく広くて驚いた。
夕飯。牡蠣入りかに玉、チャーハン、謎のとろとろスープ。皿をビニールで包むスタイル。

 ここで館長さんに夜ご飯をおごってもらった上に、お菓子やジュースや果物も買ってもらいました。まさに夏祭りに来てる感じでとても楽しかったです。
 お腹パンパンになるまで飲み食いした後帰宅し、軽く水銀灯を見たり、同定大会の続きをしたり、タトウを整理したりしてからこの日は0時ごろ就寝しました。


・3日目
 今日は間違えずに7時に起床。昨日と同じく畑を散歩してから8時に出発しました。朝ご飯は途中立ち寄ったコンビニで調達し、昨日とは違う場所に向かいます。

現地のコンビニシェアはセブン7割、ファミマ3割ほど。日本語の商品も多く並びます。

 また荒い山道を経て軽く車酔いしつつ、10時ごろに今日の採集地に到着。天気は前日に引き続き快晴、気温は32℃。昨日と同じような細い林道が続き、一番奥にあった背の高い花畑には各種アゲハがたくさんいました。

フタオチョウ。後翅後部の水色が涼しい。
昨日もいたが採り逃していたコノハチョウ。黄色い帯にブルーメタリック。かっこいい!
裏側は見事な枯れ葉模様だけどちょくちょく翅を開いちゃうお茶目な蝶。
ツマベニチョウ。シンプルかつ鮮やかな色使いが好き。
アカネシロチョウ。ミッキーカラー。表にもこの色があればいいのに...
タイワンツノカナブンの青色個体。基本緑だがたまに青いのがいる。青い+角=最強
ホッポエグリハナムグリ。展足途中ですいません。個性的なオレンジ模様が素晴らしい。

 この日は15時ごろまで採集したのですが、きつい日差しのもと歩き続けるのは流石に疲れ、帰りの車内では爆睡でした。宿に戻るとシャワーを浴び、館長さん宅で夕飯をご馳走になりました。

民家もターンテーブル付き!

 食事の際は中央に大皿を並べ、ご飯が盛られた一つの茶碗にとりながらおかずとご飯を一緒に食べていくスタイルのようです。スープが飲みたいときは一度茶碗内のものを食べきる必要がありますね。魚の骨などは直接テーブルの上に置いておき、最後にまとめて捨てます。

 夕食からしばらく後、いつものように同定大会をしていると館長さんに呼ばれ、行ってみると夜食にかき氷を買ってきてくれていました。かき氷といっても荒い氷にシロップがかかったあのスタイルではなく、もともと味が付いた密度高めフワフワ系の氷に数種類の蜜豆が乗っているスタイル。そしてなによりでかい。かなりお腹いっぱいになります。個人的には好きな味ですが飽きが来るのは否めない感じなのでお茶をお供に添えることをおススメします。
 その後は水銀灯でオオミズアオを一頭採り、3日目は終了。


・4日目
 この日は6時半に起きて朝シャワー。爽やかな朝です。

茶色い蛾に不釣り合いなシルバー。蛾の翅とは思えない。

 いつも通り8時に出発して町で朝食を食べてから、今日の採集地である川に向かいました。昨日までの林道と違い今日は川沿いの舗装路です。天気は晴れ時々曇り、気温は35℃。遮るものが何もない舗装路なのでこの猛暑はかなりこたえます。

ひたすらに暑い
ワンちゃんもきつそう

 採集中、もう一人のサークル員と一緒に2人で歩いていたらフタオチョウらしき蝶が見え、彼がダッシュで追いかけ始めました。僕は走る元気が無かったので走りゆく彼を見守っていたのですが、彼の前方には地元の少女二人と少年一人が歩いていました。彼らからすれば後ろから虫捕り網を持った青年が走り迫ってくるわけで、中々に怖い光景でしょう。事案的なものにならないかと心配していたら、彼は立ち止まり少女たちと何やら身振り手振りで会話し始めました。おいおい完全に不審者じゃないかと思い、他人のふりをしようと僕は網を置いたのですが、すぐに彼は再び走り始めました。色々気になるので彼の方へ向かったら、何かをネットインした模様。見てみると、お見事、ヒメフタオチョウでした。彼曰く、一度この蝶を見失ったものの、子どもたちがあちらへ飛んで行ったと教えてくれたそうです。そんなわけで地元の子どもの助けを得てのゲットという、彼にとっては思い出深い採集となりました。

思い出のヒメフタオチョウ。フタオチョウより筋状模様が細い。
ありがとう子どもたち!

 なお僕は前日フタオチョウを採っていたため、後に彼とフタオチョウとヒメフタオのどちらが素晴らしいかというあさましい議論を戦わせました。

パイナップルトラップにやってきたコノハチョウ。翅の後ろが破けてるが枯れ葉感は伝わるかな。
タイワンモンキアゲハ(手前)とオナシモンキアゲハ(奥)の吸水

 途中イナズマチョウらしき蝶も目撃したのですが採集はできませんでした。この日はちょうど日曜日で、川で遊びに地元の人々が多く集まっていました。おかげで車が頻繁に通りトラップや吸水ポイントになかなか蝶が溜まらず苦しい思いもしたのですが...。ここは周りの木が低いからかツマベニチョウがかなり低いところをたくさん飛んでいました。また、リュウキュウムラサキを多く見かけたのですが、去年与那国島で見たリュウムラと比べここのリュウムラは立派なサイズの個体が多くいたように感じました。
 
 この日も昼下がりに帰宅し、シャワーからの同定大会。夕飯は再び館長さん宅でいただき、夜食のかき氷もいただきました。


・5日目
 今日も7時に起床。疲れからか日に日に少しずつ朝がつらくなってきます。いつものように8時に出発し朝食を食べたら、今日は竹をメインとした山中の林道へ。天気は相変わらず晴れ、気温は33℃。天気の運はかなりいいようです。日頃から徳を積んでいる証拠でしょう。
 今日の採集地はオオルリモンアゲハのポイントです。オオルリモンアゲハはルリモンアゲハの台湾北部亜種で、瑠璃紋の形などにわずかに差があるとされています。オスでも性標があらわれないのもルリモンにはないオオルリモンの特徴です。ここは台湾中部ですがオオルリモンが多く生息するとのこと。

オオルリモンアゲハ。瑠璃紋が後翅の付け根に向かって突き出したような形をしている。
とても大きなアブ。翅がメタリックグリーンに輝き、一瞬すごい甲虫を見つけたかと思った。
かわいい

 話に聞いていた通りたくさんのオオルリモンアゲハが採れました。そして今日はやや早めに撤収。なぜなら今夜は山奥に灯火採集をしに行くのです。というわけでいったん宿に戻った後灯火採集の準備をして、夕方ごろいざ再出発。かなり標高の高い山奥まで車で走り、あと少しで灯火ポイント...というところで突然の停車。何事かと車を降りると、


 なんと道が崩れていました!下の土砂が流れて道が半分ほど浮いてしまっています。こりゃだめだな、ということで予定を変更しここで灯火採集をすることに。水銀灯を設置し夜を待ちます。

斜面には茶畑が広がっている。こんなところにも人が住んでいるのだなと感心。
今、人生で一番おうちから離れた場所にいる...。
日没。からの~
点灯!
最初の大きなお客さんはヒキガエル。貴様に良い虫はやらんぞ!
こいつはとにかくたっくさん飛来した。同時に20匹とかいた。結構でかい。
日没一時間ほどでハグルマヤママユが立て続けに三頭飛来。もっふもふ。鮮やか。
灯火から少し離れたところに現れたウスバカミキリの仲間。でかいよもちろん。
日没後二時間半ほどでオオミズアオが三頭やはり立て続けに飛来。

 他にはサビクワガタや、セスジオオクワガタことライヒヒラタクワガタのメスなんかが採れました。本来のポイントまで行けていればもっと採れたのかとも思ってしまいますが、色々採れたので満足の帰宅。
 明日はいよいよ採集最終日です。


・6日目
 朝、いつものように起きるとやけに暗い。また起きる時間を間違えたかと時計を見るとそうではないようです。窓を開けて外を見ると、がっつり曇ってました。小雨までぱらついています。実は今日は台湾特産の美麗種ホッポアゲハに挑戦するつもりだったのですが、ホッポのポイントは山の上なので残念ながらこれでは無理そうです。

ここは台湾。そう毎日うまくはいかない。

 館長さんたちとみんなで集まり作戦会議もとい朝のお茶会。すぐに天気は回復するが標高が高いところはやはり駄目そうとのこと。ホッポ見たかったなぁ...。

台風が来てるみたい。

畑のパイナップルトラップに来ていたクワガタをもらった。

 天気ばっかりはしかたがないので、今日は予定を変えて昨日と同じオオルリモンの林に行くことにしました。
 というわけでいつもより少し遅い時間に昨日のポイントに到着。天気はおおよそ回復し曇り時々晴れ、気温は31℃。
 
 
オオジョロウグモ。とにかく大きくて存在感がすごい。たくさんいた。
花掬いで複数とれた。ウスグロトラカミキリだろう。
花掬いで大量に網に入った。毛の束がパンクな感じになっている。
ベニモンシロチョウ。前述のアカネシロより白っぽく、黄色と赤の位置が逆。
イワカワシジミ。本日のラスト。

 この他にオオルリモンアゲハを追加したりコモンタイマイを採ったりして最終日終了。帰宅すると館長さんが高級烏龍茶をたくさんお土産にとくださいました。何から何まで本当にお優しい方だ...。
 そして今晩は館長さんの奥さんが屋台に連れて行ってくれるとのこと。最後の晩餐ということで館長さん一家みんなとご馳走を食べに行きます。

食材を選ぶスタイル。調理法はおまかせなのかな。
とても美味しかった。

 食材を選ぶショーケースの中には謎の食材もたくさん入っていました。好きなものを選べと言われたのでワタリガニとカエルをお願い。このほかにもアヒルや牡蠣、タコ、魚の刺身、チャーハン、炒め麺、肉野菜炒め諸々、スープなどなど大量の料理がテーブルに並びました。そしてこの日の料理はどれも、いつにもまして非常においしいものばかりでした。カエルはよく言う鶏肉に似た味というやつで、意外と臭みはありませんでした。ただ皮の感触はややカエル感があってちょっと...。
 とにかくたくさん食べまくり、動けなくなるくらい満腹になって台湾最後の夕食を終えました。

 宿に戻ると残っていた未同定種を全て同定し終えて、就寝。明日いよいよ台湾を発ちます。


・7日目
 最終日の朝は8時に起き、最後に畑を散策してから、館長さんに別れの挨拶をして一緒に記念撮影をしました。館長さん本当にお世話になりました。何から何まで世話をしてくださりとにかく優しい方でした。ホッポ採りに必ずまた来ます!

 人生初の海外採集はたくさんの見たことない虫に出会えたことはもちろん、現地でお世話になった方々、台湾の片田舎という初めての土地での生活も含めてとても新鮮で刺激的なものでした。日本の虫もまだまだまともに採っていない身で言うのもおこがましいですが、海外採集の醍醐味がなんとなくわかったように思います。今度はヨーロッパとかいいなぁ...。

臺灣、再見!

                          (文責:虫班員M)