2017年1月2日月曜日

昆虫班 10月 ムネアカセンチ掘り

新年あけましておめでとうございます。昆虫班のPと申します。


一年が経つのは早いもので、2016年もあっという間に過ぎ去ってしまいました。遅くなりましたが、昨年の採集を思い起こし、その記録をここに書き記しておきたいと思います。

本年第1回目の記事は、昨年の10月に行ったムネアカセンチ掘りの採集についてです。




2016 10/4 東京都某所


授業終わりのある日、私と当時の昆虫班班長のNさんは東京都内の某公園に向かっていた。この時期狙える近場の虫として、ムネアカセンチコガネというオレンジと黒のツートンカラーが美しい虫がいる。都区内でも大きな芝生が広がっているような場所に生息しており、夜間に灯火のもとを探せばたびたび落ちていることがある虫である。
そしてこの虫の一風変わった採り方に、日中潜んでいる穴を見つけ、そこから掘り出して採集するというやり方があるのである。これをやってみよう、と思いたち、手鍬を片手に向かった次第であった…

ポイントに選んだのは、かつて灯火採集で何頭かを拾った大きな公園。夕方遅くに芝生のエリアに着き、灯火を軽く見回るも居なかったので、穴を見つけようと地面を探し始めます。


…しかし、中々これがうまく見つかりません >_<
小さい穴があった、と思い掘ってみてもミミズが出てきたり、土の膨らみがあれば崩すとケラが出てきたりで、中々本命は出ないようです。どうやら探している穴が違うよう…
ケラは展翅しました

少し場所を変え、芝生の林と面しているあたりを見ていきます。芝生と林の境界線あたりを見ていると、こんな感じの穴がいくつかありました。


穴の大きさ、周りに掻き出された土盛り… やったことないのでまだ確証は持てませんが、ビビッと来ます!
慎重に鍬を入れ掘り出してゆくと…



…出ました!
ムネアカセンチの♀です!掘り出した瞬間の写真は撮り忘れました(*_*)
灯火に来るのは♂ばかりなので嬉しい出会いです。

隣の穴も掘るともう一頭追加することが出来ました。どうやらこれでビンゴなようです。

ノウハウが分かったので、穴を次々と探していきます。

やってみると出ない、見失う穴も多いですが、ぞくぞくと数が出てきます。中で待っているのは♀のが多い模様。
穴の周辺を見ていると、♂も2頭ほど歩いていました。

こちらの♂はキノコのかけらを運んでいます。観察していると、巣穴を掘るような動作もしていました。♂が巣穴を掘り、餌を運び幼虫がキノコを食べて育つのでしょうか?

こんな感じで♂も♀も十分に見ることが出来たので、早めに帰路につきました。
帰りがけに灯火で♂を一頭、潰されているものも一頭見つけて終了です。
潰されていたムネアカセンチ


以外にも都心の近くに存在しているムネアカセンチコガネ、是非あなたも探してみては如何でしょうか?