2015年10月10日土曜日

2015年度 八丈島合宿 虫班編

 こんにちは、虫班長のI川です。
ホームページに記事を投稿するのは前のブログのとき以来なので分からぬことも多々ありますが、これから少しずつ記事を上げていこうと思います。
さて今回の記事ですが、今年の5月初頭に行った八丈島合宿での昆虫班の活動について紹介します。

~1日目~
毎年恒例の春の八丈島合宿ですが、流石に3回目となると体も慣れてくるものです。
東京からおよそ10時間ほどの船旅を経て、ほとんど寝ている間に島へ到着します。

キャンプサイトへ到着、昼前に設営を終えるも当日の天気はあいにくの雨。
この合宿での虫班の狙いは大きく二つあるのですが、今日は雨でも支障がない方を狙いに行きます。

キャンプ場から30分ほど車を走らせ、一行は山の中へ。地面はぬかるんでいますが肝心の雨はそれほど酷くないようです。
八丈島は観葉植物としてのヤシの栽培が盛んであるがゆえ、山あいにあるヤシ畑の合間を縫うように道を進んで行きます。

ふと脇にある倒木をひっくり返すと、

木の下にはクロカタビロオサムシが二頭居ました。ちょうど本土でも姿を見せる時期でしょうか、八丈島にはこれで3回目の来訪ですが、この虫は去年に一頭見かけただけなのでこの時は嬉しい出会いでした…  どうやらここ数年で八丈島に持ち込まれた種のようです。

先の方を見渡すと、付近に倒木や立ち枯れが見えるのでこの辺りで材採集をやることにします。皆、各々の装備を持って倒木へと向かいます。
大きな立ち枯れが見えたので少し鉈を入れると、ポロポロと出てくる幼虫に混じって不意に赤い甲虫が現れます。
ハチジョウコクワガタ

八丈遠征の狙いの一つ、ハチジョウコクワガタです。こちらの方でも見られるコクワガタとは違い赤褐色の体色をしています。
間髪入れる間もなく、隣で倒木を起こしていた後輩が別の何かを見つけたようです。

ハチジョウノコギリクワガタ

佇んでいたのはハチジョウノコギリクワガタです。こちらも本土のものとはかなり形態的特徴が異なります。先ほどの種とは対を成すような黒い体色が魅力的ですね。

腐朽した材の下の方を掘って行きます。

 
 皆次々と掘り出していきます。1年生の一人が大きめのハチジョウコクワガタを見つけたようです。
中々綺麗です。

十分な数が得られたので、夕方前に皆でキャンプサイトへ戻ります。帰り道でもまたクロカタビロオサムシが居たようです。



夜間のキャンプサイトにはアマミサソリモドキが居ました。名の通り奄美大島からの移入種です。
石垣の近くにはたくさん居るようです。

サソリモドキ幼体
脱皮直後のサツマゴキブリも居ました。こちらも同様に移入種です。
サツマゴキブリ
 気がつくと、腕にトゲナナフシが付いています。
トゲナナフシ
水班の釣ってきた魚を美味しくいただき、本日は終了です。

~2日目~
翌日はそれほど天気は良くないものの気温は上々なので、今日のポイントへ向けて車を走らせます。
ポイントへ到着する頃にはやや晴れてきました。日が出るのを待ちつつ目標のカラスザンショウの付近を歩きます。

ぼちぼちとナミアゲハやアオスジアゲハが飛翔するなか、頭上を大きめの黒い影が飛んで行くのが見えました。
ハチジョウカラスアゲハ
 もう一つの八丈合宿の目標であるハチジョウカラスアゲハです!本土のものより青緑の色合いが強く、飛翔する姿はたいへん艶やかな蝶です。
一行が興奮しているさなか、吹き上げで次々と姿を現します。

うーん、美しい。これで三年目の出会いですが未だに見惚れてしまいます。

目当ての♀も採集することができたので、昼食も兼ねて13時頃には採集を切り上げます。いつもの虫班にはめずらしく、かなり余裕のある行動です…

先ほどの場所では、オオバヤシャブシの枝先にたくさんのクロカタビロオサムシが見られました。時折大発生することのある種のようですが今年は多いのでしょうか…?

昼食のち、再度微妙な天気になったので昨年アカハライモリが見られた水たまりを見に行きます。
しかし今年訪れた所水たまり全体が畑になっておりなくなってしまった模様です…
仕方が無いので少し倒木を削ると、マメクワガタが出てきます。(写真を失念しておりました!)

次に、島中央の池に向かいます。池にかかる橋の欄干の上に見慣れないものがあります。

…どうやら猛禽かなにかの吐き出したペリットでしょうか?みたところ中身はほとんどクロカタビロオサムシのようです。それほど多いのでしょうか…?

夕刻前に毎年訪れる温泉に足を運ばせます。駐車場には、昨年は見かけなかったものがたくさん落ちています。
クロカタビロオサムシの死骸
今年は例年より数日ほど八丈島を訪れる時期が遅いので発生時期が合わさったのか、それとも今年は大発生する年なのかはわかりませんが、いずれにせよかなりの数が出ているようです。

入浴後、他班の同好会会員とひとときの団欒を終えたのち、夜間灯火を焚きに行きましたが気温が低く集まりが悪い模様…

携帯バッテリーが切れたのち、翌朝のフェリーに備えて就寝します。
毎年この二日間はあっという間に過ぎ去って行きます。

3日目の朝に撤営を終えた後、島を惜しみつつ、また10時間ほどの船旅にて東京へと帰ります。
次に訪れることになるのは、いつでしょうか。



最後までお目通しいだだき、ありがとうございます。

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