2016年7月31日日曜日

初夏の北海道遠征・虫班編 ~敵は思わぬところから~

こんにちは!虫班3年のk所です。

昆虫班&鳥班合同企画(虫班4人、鳥班1人)ということで、6月半ばに一週間ほど北海道に遠征してきました。



僕は人生初の北海道で、前々からとても楽しみにしていました。

その一方、北海道には本州にはいない危険生物に内心ビビッていたのも事実です。


ひとつは日本最大の野生動物「ヒグマ」!!

深夜に日本最悪の獣害事件「三毛別羆事件」についてググってしまい、恐怖で眠れなくなったのは内緒です。。


ふたつ目は寄生虫「エキノコックス」!!

その致死率の高さを知った僕は、間違っても生水を飲んだり、獣糞に不用意に触れたりしないよう固く心に誓ったのでした。。


…僕らは事前にこのふたつの危険生物をマークし、一応の対策も考えて北の大地へと乗り込んでいきました。
しかし、僕らは予想だにしない小さな敵に苦しめられることになったのです。




6/16の夕方、僕と虫班長は一足早く新千歳空港に降り立ちました。
東京気分が抜けないまま半袖姿だった僕は飛行機を下りると同時に、慌てて上着を羽織ります。

うーん、寒い。。

東京に比べて一月以上は季節の進みが遅れているでしょうか。
JRの駅舎をはじめ公共施設の入口がいちいち二重扉になっていることも、北国にやって来たことを実感させてくれます。

この日はすぐにネカフェに入って、明日へと備えることにしました。



6/17 予報を見て薄々覚悟はしていましたが、雨。。


といっても、後続隊が来るまで特にやることがないので…




雨に打たれながら予定通り、穴を掘りほり、ピットトラップを仕掛けます。


良さげなポイントが無いか探し求めていると…


…随分こんもりとした獣糞を発見。

調べてみると、案の定ヒグマの糞のようでした。

無言でその場を離れます。。



というわけで、この日は埋めると同時に雨水が溜まり始めるコップに一抹以上の不安を感じつつ、千歳市周辺にトラップを仕掛けて終了です。

半ば川と化した砂利道を、映画『インディ・ジョーンズ』よろしく波しぶきをあげてクルマで快走したのが、本日のハイライトでした(…笑えない)

後続隊の3人と合流して、明日以降の天候回復に期待します。




6/18 午前中は野鳥を観察した後、ニセコへと車を走らせます。

午後になって、ようやく天候が回復してきました。

エゾハルゼミの蝉時雨が心地良いです。

というわけで、改めてここでもトラップを仕掛けます。


林道沿いの茂みにコップを埋めていくと、服の上を這う小さな影が。。












………………マダニでした。。

生で見たのは僕も含めて、全員これが初めて。

何となく聞いてはいたものの、これほど身近にマダニがいるとは予想外でした。。


気色悪さに一同しばし閉口。。


コップを埋める手が心なしか重くなったのは言うまでもありません。



しかし、この時は帰り際の美しい夕焼けも手伝ってマダニのことは一時忘れることができました。




その夜、銭湯で体を洗っていると、「あれっ?」…わきの下に違和感を感じます。


思わず強く引っ張ってみると(感染症のリスクがあるらしいので絶対真似しないように。。)、日中見かけた気色悪いヤツの姿が…(*_*)


うーん。
林道脇にトラップを仕掛けただけなのに。。


野生動物が多いからでしょうか。

北海道のマダニの生息密度は随分高いようです。




6/19 北海道に来て初めて朝から天気が良い一日でした。(あれ、北海道には梅雨が無いと聞いていたのにおかしいな。。)

林道を歩きながら蝶を探します。



林道脇はこんな感じで笹がこんもり茂っていました。

ときどき、声(奇声?)をあげて、すぐそこに隠れているかもしれないヒグマに存在をアピールしながら歩きます。


ウスバシロチョウ
(注。こう見えてアゲハチョウ科です)


エゾシロチョウ
(こちらは正真正銘のシロチョウ科)



ミヤマカラスアゲハ
(一般的に寒冷地の個体ほど美しくなるとのことです)


北海道に来てやっとまともに昆虫と触れ合えた気がしました。

ただし、悲しいかな。お目当てのジョウザンシジミには出会えずじまい。。



いやいや、でも大丈夫!

明日トラップを回収すれば、きっと憧れのオオルリオサムシと出会えるはずなんだから。。



そう思っていた時が僕たちにもありました。



6/20

この日は期待を胸にピットトラップを回収していきました

どんなオサムシに出会えるのでしょうね…(わくわく)







左から順にセダカオサムシ、ヒメクロオサムシ、エゾアカガネオサムシ、エゾマイマイカブリです。

コップに水が溜まりながらも、ピットトラップは頑張ってくれていました。


名前にいちいち「蝦夷」が入っているのが、ご当地オサムシ感があって良いですね!




では、本命のオオルリオサムシはというと…



何という事でしょう!



全然…………いない……( ゚Д゚)



千歳にもニセコにもいない…(*_*)


いや、正確に言うと採れました。

一匹だけ…(苦笑)






写真の一番右が本日唯一のオオルリオサムシです。

やっぱり綺麗ですね!



しかし、他のオサムシを五目採りできていても、どうしてオオルリオサムシだけ入らないんでしょう…?

オオルリオサムシは北海道では普通種と聞いていたのに。。



この日の夜はみんなで反省会でした。




6/21

いよいよやってきた最終日。

朝から美しい青空が広がっています(頼むから初日から晴れてくれよ~)


最後の悪あがきとして、林道沿いの側溝を見回っていきます。



側溝を覗き込みながら、歩いていると…




草の塊の上に、キラリと輝くエリトラが…!!

               



なんとか追加のオオルリオサムシを確保できました!



これで東京へ帰れる…(苦笑)


オオルリオサムシが歩いているのを見かけた時は、思わず叫んでしまいました



そうは言っても、今回の遠征はやはり不完全燃焼の感を拭い去ることができません…

リベンジを心に誓い、僕たちは帰路についたのでした。



(余談)

東京に戻る直前で後輩のKは熱を出してぐったりしてしまいました。

…どうやら、マダニに刺されたところが化膿してしまったようです。。

北海道の野山を歩く際はくれぐれもマダニにはお気をつけください












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