2018年9月27日木曜日

3年目の沖縄〜全体夏合宿2018虫班編〜

 お久しぶりです、虫班です!9月上旬、生物同好会は沖縄で全体合宿を行いました。一昨年も去年も沖縄で悪天候に迎えられ、流石に沖縄はもうやめようと言っていましたが、今年も結局沖縄になりました笑。今年もやっぱり大雨に降られましたが、過去二年と比べればかなり満足に活動できたのでその様子を写真多めのダイジェストでお送りします。


海キレイ

〜1日目〜 


 台風21号とすれ違うように那覇空港へ。今年も台風直撃の沖縄か、そもそも飛行機飛ぶのかとヒヤヒヤしました。天気予報によるとメイン活動日の明日と明後日は雨だったり曇りだったりの予報。嵐確定じゃないだけマシでしょう。予報は予報。晴れると信じます。

  昼過ぎにみんなで空港のロビーに集合。早速虫班の前日入り組が渋滞で遅刻してきました。虫班とはそういうものです。前日入りの活動の様子はまた別に書いてもらいます。この日は那覇から宿がある本島中部に移動するだけで日中は終了。
 
 支度が済んだら夜間採集へ向かいます。今年は虫班の人数とドライバーの数に余裕があり、虫班の車が常に複数あるので色々なところに行けます。僕が運転する車は南へ。下道を行ってしまいかなり時間がかかりました。
 やっと最初のポイントにつき採集開始。個人的な本命はイチジクカミキリです。非常に大きく・かっこよく・キレイなカミキリですがイマイチ人気がある気がしません。やんばるにはいないせいか、ミーハー感が強すぎるせいか、こっちに来ればそこまで珍しくないのか…。僕は尊敬する昆虫写真家のブログでこのカミキリを知って以来、ずっと見たいと思っていました。

 歩き始めると、早速後輩がやや高い位置のウロに潜むオキナワヒラタを見つけたようです。この後輩は非常に目が良く、今後も大活躍します。ただこのヒラタは位置が悪く、跳んだり登ったりおんぶしてもらったりと頑張っていましたがダメでした。

 その後かなり迷子になって、帰り道すらよく分からないまま歩いていると、数メートル先を走る黒い影を見つけました。走って追いつき懐中電灯で照らすと…




 クロイワトカゲモドキです。これが見たかった。近くに茂みがないところで見つかると観念したように硬直するので、とても写真が撮りやすいです。



ニンマリ(心中穏やかじゃないでしょうけど)


目の色は光の加減でだいぶ変わるようです


カッコイイ

 黒ベースの模様に太い尾、恐竜のような眼(イメージ)。トカゲの類はそこまで興味ないですが、これは去年見て感動したので、今年も探していました。

 しかしここではイチジクカミキリは見つからず撤退。後輩は木に付いていたヒラタを複数採ったようです。僕はアフリカマイマイが怖くてずっと下を向いていました。


べたっ


ブラーメニメクラヘビ。
 
 石段の上を高速でニョロニョロしてましたが全然進んでなくて面白かったです。初めて見たので最初は何かと驚きました。手に乗せるとスベスベ。


灯火に来ていたサビアヤカミキリ

 次のポイントに移動。街灯があるので見周りますが、イマイチ虫がきていません。さっきのポイントでもそうでしたが虫が多そうな割には街灯にあまりきていません。イチジクカミキリも街灯に来るはずですが…。
 歩いていると、切り株の上にプラスチックの板が打ち付けられたベンチ?があり、その隙間に黒い虫がスッと入っていくのが見えました。ゴキブリだろうな〜と思いつつ中を覗くと、クワガタの脚が見える。これはラッキー!と小枝で格闘すること十数秒…


ちっちゃ

 なんとも可愛いサイズのオキナワヒラタが出てきました。隙間が好きなのは分かるがこんなところにもいるとは。大アゴが太くて割と好きです。

 
 他の虫の姿はあまり見ないまま奥へ進んでいくと、良い感じの立地の街灯を発見。あ〜いうところにくっついてるんだよな〜、と見上げてみると、なんと大型のカミキリの影!しかも複数!隣の街灯と合わせると5頭前後います!
 持ち合わせのジュラルミン棒じゃギリギリ届かないので、長竿を持ってた人にお願い。しかし街灯を覆う柵にへばりついていて結構難しい!しかも眩しくて見失いやすい!格闘の末ついに網に落とし地面へ。イチジクなのか!?


イチジクカミキリでした!よかったよかった。掴むと激しく鳴きます。迫力がすごい。


ごつい

 鞘翅の黄色〜オレンジの斑紋も良いのですが何より印象的なのが前胸の鮮やかな赤紋です。地の色もシブ〜い黒でとてもカッコイイ。

 しかし街灯にはまだ何頭か残っています。みんなで採ろうとしますがこれが意外に難しく、飛んだり落ちたりで何頭かは見失ってしまいました。


追加個体。斑紋は個体差がある。

 その後も他の街灯で見かけたのですが、飛び立ったところを虫班長が空中戦で仕留めたと思ったら、リュウキュウツヤハナムグリにすり替わっていたというオチでした。



夜のオオゴマダラ。ライトをバックに。

 なにはともあれ狙いの虫が採れたので、僕はもう帰っても良いかな〜と思ったのですが、後輩に「もう一個行きましょうよ!」と言われ、僕もテンションが上がっていたので、「行くか!」と答えてしまいました。そのポイントも記録はありましたが、結果としては空振りでした。というかメンバーの過半数が疲れ切っていました。新入生にはなかなかハードな合宿の幕開けとなったことでしょう。アホなので帰りも下道を走り、宿に着いたのは4時半でした。


 余談ですが、この夜(朝?)最初にシャワー入ったルームメイトが、「給湯器が壊れててお湯が出ない!」と言って出てきました。東南アジアじゃないんだから…と思いながら浴室に行ってみると、蛇口のノブはお湯の方に回してありましたが、給湯器のパネルの電源が入っていませんでした。






〜2日目〜


 朝遅く起きて外を見てみると、雨の予報でしたがなんとか曇りでもっています。風も強いですが蝶が飛ばないほどではないので、採集に出ることに。昨晩僕らと別行動だった甲虫組は流石に僕らより早く帰り、今朝はもう出て行ったようです。今日は蝶を採るグループも二組に分かれます。僕はどうせすぐに雨が降るのだろうと思い、中部の近場のポイントへ出かけました。

 まずは山に登って見ましたが、開けたエリアは風が強く環境が一様でイマイチ。センダングサにたくさんのジャコウアゲハとシロオビアゲハ、多少のイシガケチョウやアオスジアゲハが見受けられたのみでした。ただ、シロオビアゲハはたくさんいたのでベニモン型もそこそこ見られてよかったです。当のベニモンアゲハは合宿を通してほぼ見かけませんでした。
 雰囲気のある山頂でしたが、こんな状況なので少し山を降りました。周りが高い木々に覆われてくると、蝶の種類が増えてきます。車を停めて少し歩いていると、やや高いところをもつれて飛ぶ2匹の蝶が。一見茶色の地味な蝶かと思いきや、羽ばたく瞬間に表の青がパッと光ります。コノハチョウです。天然記念物に指定されていますが、いるところにはかなりいるイメージ。採れないので良い写真が撮りたいところですが、なかなか低いところに止まりません。


嘲笑うかのようにこちらを見る

 望遠レンズが故障中なのも痛い。オンボロの一眼ではトリミング前提で撮るのも厳しい。そこかしこを飛んでいますが、低いところに止まらない・なかなか開翅しない、と根気のいる相手です。せっかく近くてもボロだったりする。


常に見下ろされる

 例の後輩は優秀なカメラマンでもあり、僕より腕も機材もずっとレベルが高いので、コノハチョウは彼に任せて僕は散歩することにしました。
 見られる蝶は豊富で、山頂にいた種類に加え、マダラチョウ類、シロチョウ類、ナガサキアゲハもかなりの頻度で見かけます。センダングサがたくさん咲いていて、多くの蝶が盛んに吸蜜にきています。少し開けた場所ではアオタテハモドキが。ここのアオタモは新鮮な個体ばかりでした。


マダラ類はあまり開翅しない

寄ると目が怖い(撮影:T.K.)

アオタモの吸蜜

 途中後輩と歩いていると、頭上高く、樹冠あたりに大きめな白い蝶が見えました。二人とも一瞬何か分からず見上げていると、蝶はすぐに近くの葉に止まり、その瞬間フタオチョウと分かりました。慌ててカメラを向けようとするも、フタオチョウはすぐに飛び立ってしまい、追いかけましたがすぐに見失ってしまいました。フタオチョウが飛んでいるところをちゃんと見るのは初めてだったので、惜しいことをしました。


シロオビはかなり多かったが、ベニモン型は数%くらい。(撮影:T.K.)


良い感じに日が差して美しいベニモン型(撮影:T.K.)


常に真っ平らに開翅するイシガケチョウ。(撮影:T.K.)


コノハチョウ半開(撮影:T.K.)


全開(撮影:T.K.)

 しばらく歩き回ったりコノハチョウと見つめ合ったりしましたが、これ以上の収穫はなさそうなので少し早めに宿に戻り、休憩。結局雨は降らず、途中日も差したぐらいでした。こんなことならもっとしっかりポイントを回るべきだった。

 宿でしばらく休んでいると、もう一組の蝶採集カーが帰ってきました。2カ所ほど回ったようで、オキナワカラスアゲハがたくさん見られたりと楽しめたようです。甲虫組も遅れてやっと帰ってきて、今度は夜間採集へ出発。その際夕飯をどうするかの話になったのですが、去年は沖縄料理orA&W(ファーストフード店)だったのが今年はA&Worコンビニ飯になったいて、あげくコンビニ飯が選ばれました。今年はやけにハード。しかし時間も大事。

 宿を出た頃は雨が降っていて心配したのですが、目的地に着く頃には止んでいました。今晩の狙いはハグルマヤママユです。昨晩のイチジクカミキリの場所へはカミキリ好きの合宿幹事が飛んでいきました。開けた場所に着いてさぁ灯火をたこう、というタイミングで僕が白幕を忘れるというヘマをしました。白幕がないと、飛来した蛾が落ち着いて止まってくれない。
 気を取り直して点灯すると、すぐにハグルマが飛んで来ました。しかも立て続けに。過去の沖縄合宿での経験を生かしたつもりでしたがこれほど目に見えて成果が出るとは。


模様がとても美しい


どう見ても翅が破けているようにしか見えない。トリックアート。

 束の間のお祭り状態でしたが、しばらくするとパッタリ飛来がやみました。時計もないのによくこんな精度で活動時間が揃うものだと感心します。虫班員は時計があるのに無理。
 ハグルマが止むとしばらく何も来ません。次はシンジュサンが多く飛来する時間帯がありますが、それまでかなり時間があるので、一旦灯火を消して林道歩きに出かけます。

 みんなでゾロゾロと夜の林道を歩いていると、またしてもクロイワトカゲモドキに遭遇。



 この林道ではこの後も何度も出会いました。やはり個体数は多いようです。
 ハブに怯えつつも地面や側溝をよく見ていると、色々な生き物がいます。


でかいカニ


ハナサキガエル


大きめヒラタ


眼縁突起かっこいい

 どんどん歩いていると、例の優秀な後輩が「ちょっと!あれ!」と何か発見。見てみると…


大きく二股に割れた木に鎮座しているのは…


イシカワガエル!
 
 なんとイシカワガエルまで見ることができました!ハブに怯えながら渓流を歩かなきゃ出会えないものだと思っていたので本当に驚きました。しかもすごくでかい。ヘタなヒキガエルよりよほど大きく、ウシガエルに迫るようなサイズでした。柄がどう見てもイシカワなのに、僕の脳内の勝手なイシカワのイメージはシュレーゲルくらいだったのでだいぶ混乱しました。


正面から


眼がすごいですね


微動だにしない

 サイズといいポジションといい様子といい、貫禄がありました。いいものが見れたと思います。
 しかしカエルはたくさんいるのにヘビをまったく見かけません。ハブは嫌だけどアカマタとか何かは見たいな、でももう疲れたな、と思いながら元気な後輩と歩いていくと、



 見られました。鮮やかな緑のリュウキュウアオヘビです。ただ、とても綺麗な死体でした。ソフトに轢殺されてしまったようです。
 灯火第二弾の時間もあるのでここで折り返し。帰りはスタスタと。


背中だけ苔むしたように緑


尻尾ぴーん


真っ赤

 灯火ポイントに帰り着き再び灯火を始めると、今度は大量のヤママユとシンジュサンがやって来ました。ここのヤママユは、前翅前縁が黄色っぽくなり、その後ろが黒っぽくなる傾向がありました。元々色彩変異が多様な種ですが、一つの個体でモザイク状に色が混じるのは見たことなかったのでとても面白かったです。


混色が分かりやすい個体(撮影:T.K.)


シンジュサンにモテる筆者(撮影:T.K.) 

 ようやくヤママユとシンジュサンも落ち着いた頃、灯火を片付けて撤収。明かりを全て消すと、ちょうど雲が切れていて星空がとても綺麗でした。南に向かった合宿幹事も、しっかりイチジクカミキリ採れたようです。


満点の星空(撮影:T.K.)



〜3日目〜
 
 翌朝目を覚ますと、どうやら昨日よりは天気が良さそうです。今日は虫班長のご意向に沿い、北部でリュウキュウウラボシシジミやバナナセセリを狙います。


オキナワヨスジシラホシサビカミキリが部屋の前の柱からお見送り

 しばし車を北へ走らせやんばるへ。


いつまでこの森が守られるか。

 林道は乾燥しており、蝶の姿はまばらです。
 道脇のコンクリの穴の底に水が溜まっており、覗き込むとシリケンイモリが10匹ほど佇んでいました。


金箔模様が水底の小石に紛れる


水中から

 途中、小さな沢に続く小径を見つけ、後輩と入って行きました。周囲は鬱蒼としており、時折陽が差し込む環境。リュウキュウウラボシシジミの好む環境はよく知りませんが、結構いい感じの場所に思えます。
 あたりを見渡していると、突然すぐ横に茶色の小ぶりなシジミチョウが!後輩と二人で慌てて網を振ろうとしましたが、あまりに近くて伸ばしていた網をうまく振れず、すぐに見失ってしまいました。まだ近くにいると思いしばらく待ったり、周囲の植物を叩いたりしてみましたが、ついに再びその姿を現さず…。あれがリュウキュウウラボシだったのだろうか…。

 諦めて林道を進みましたが、特にいい環境は無し。林道沿いはアオスジやモンキやジャコウが時折飛ぶくらい。引き返している最中、川辺におりてウラボシを探していた虫班長と合流。彼が張っていた場所もかなり良さげな環境で、それらしき蝶を一度見かけたとの事でした。
 その後みんなで先ほどの小さな沢を登ってみましたが、ジャングルクルーズ虚しく成果無し。途中、淀みの中を泳ぐ種類不明の幼蛇を見かけました。しばらく進むとにわか雨が降ってきてしまったので、急いで舗装路まで戻り、このポイントからは撤収。


リュウキュウルリモントンボ。水色もキレイだが腹端の黄色が良い。


リュウキュウハグロトンボ。翅に青の光沢が入る。(撮影:T.T.)

 その後はしばらくの間、かなりの強雨が叩きつけて採集どころではない感じ。雨の中周囲のポイントも見てみますが、かなり濡れてしまって沢周りでの活動は危険。残念ですがリュウキュウウラボシは諦めて泣く泣く下山しました。

 切り替えて、これからはバナナセセリを狙います。名前の通りバナナにつく、非常に大きなセセリチョウとのことです。バナナにつくのでバナナの木を探すわけですが、この採集が意外と困難を極めます。バナナ自体はあちこちにあるのですが、全然バナナセセリがいません。時期や時間帯もよくなかった様子。代わりに、スズメバチがやたらといる。バナナの花が大好きなようで、どの花を見てもほぼ必ずいました。
 
 しばらくあちこち移動してバナナを見て回る時間が続きます。特に進展が無いので、探しながら撮った写真のダイジェストで。


いかにも沖縄。左奥にバナナが写ってます。


一心不乱にハイビスカスから吸蜜するナガサキ♀


吸蜜時くらい翅を止めてほしい


「こっちに秘密のバナナがあるよ」


後翅基部までしっかり色が入っていて、アカタテハより好きです


後輩が土場を見てたら飛んできたサツマウバタマムシ


前翅が左右非対称…?


リュウキュウツヤハナムグリが集まる木があった


全力でがっついている

 だいぶ時間も経ち、厳しいかな…と思い始めた頃、班長がついにバナナセセリを1匹採ったとのこと!行ってみると、雑多な木々に囲まれて少し開けた一画に、バナナと班長がいました。国道沿いで見たようなキレイに並んだバナナとは程遠く、藪の中に孤立して野生化したようなバナナです。早速バナナセセリを見せてもらうと、確かにでかい。そして眼が赤い。バナナの木の化け物感をそのまま引き継いだ感じです。


翅表には黄色い斑紋がある。ますますバナナっぽい。(撮影:J.K.)

 班長曰く、バナナの木を叩くとバナナセセリが飛び出るが、一瞬で周りの藪に消えてしまうため非常に苦戦したとのこと。実際に班長が僕らの前でバナナの木を叩くと、茶色い何かがパッと出て来て、一瞬ですぐ隣の藪の奥に消えてしまいました。なるほどこれは難しい。


バナナセセリの幼虫。こいつがいる木じゃないと成虫が見つからない。(撮影:J.K.)
 
 この後追加はなりませんでしたが、かくして二種目のターゲットはなんとか得ることができました。同じ場所でナガサキの♀も何頭か得られ、各人満足の様子でした。僕がネットインしたナガサキの♀は悲しいほどボロでした。




 この夜はみんなで集まり宴会です。虫班は特に寝起きの時間が他と合わないので、同じ宿のはずなのにほとんどの人と初日以来の対面でした。虫班同士でも車が違うとなかなか会わないので、甲虫組などとは合宿始まって初めてゆっくり話しました。
 宴会が終わり宿に戻ると、車に乗り込んで最終夜の採集へ出発です。今夜は僕は再び南へ。

 一昨日イチジクがたくさんいた街灯へ真っ直ぐに向かいますが、全然いない。何匹も付いていたのが嘘のよう。時間帯かと思って合宿幹事に昨晩採った時間を聞きますが、そうでも無い様子。しばらく各自ウロウロしていると、やっと後輩が1匹捕まえました。ヌルは回避。



 みんなで一箇所に固まっていることもないので、半分ほどをここに残して、僕と班長と後輩一人で別の場所へ行くことに。
 到着して街灯を見始めますが、やはり目立って飛び回る虫はほとんどいない。沖縄の街灯採集ってこんな感じなのか。時期か。後輩としばし歩いていましたが、ヒラタや極小のノコしか見つからない。班長に電話してみると、あちらは一頭採れたとのこと。しかし場所をよくよく聞いてみると、というかすぐ近くにいて直接出会ったのですが、なんと僕たちがついさっき見た街灯で採れたとのことでした。いやぁ絶対いなかったと思うんだけどなぁ…。


班長の網についていたイツホシシロカミキリ

 しかし他の街灯はいくら見ても何もおらず。あまりいい感じの街灯がありません。もう帰ろうかと歩いていると、やや離れた自販機の前を、デカイ羽音を鳴らして低空飛行する大型甲虫が!これはもしや初めて飛んでいるイチジクに出会えたのか、と思い駆け寄って網を振ると入っていたのは…


大きなサイカブト 
 
 そりゃ羽音大きいわ…。一応まだ採れていなかったので嬉しかったですが、なんとも微妙な気持ち。結局それ以外は特に何もなく、一年生たちを置いてきた一つ目のポイントに戻りました。

 戻る道中で地面を転げ回っていたサイカブトを拾いつつ待機組に合流すると、この間の追加は1匹とのこと。正直疲労困憊でもう帰ろうと思いましたが、例の後輩に「もう一周見てから帰りましょう」と言われてしまい、正論なので同行。
 道を歩いていると、オオコウモリに出会いました。会うのは初めてではないですが、かなり近くを2頭が飛び回り、かなり迫力がありました。写真を撮ろうとするも、暗すぎてピントが合わないうちに行ってしまいました。木に止まると、真っ黒な小人がぶら下がっているようでかなり怖かったです。
 そのすぐ後、近くの木についていたまぁまぁ立派なオキナワノコギリを後輩が発見。



 僕は喜んで写真を撮ったりしていたのですが、なんとこれの二回り以上も大きなノコギリを後輩が同じ木から発見!みんな大興奮の中なんとか捕まえたそいつは…



 先ほどの個体と比べてもこのサイズ。本土の大型個体と遜色ない見た目です。ワイルドのオキナワノコギリとしては相当立派なんだと思います。赤みが強くてキレイなところがいいですね。


外国産のノコギリみたいな雰囲気

 最後にいいものが見れてよかったです。後輩の言う通りすぐ帰らなくてよかった。しかし運転する身としてはすでに疲労困憊です。この時もう一人のドライバーである班長は車で熟睡していました。

 最終夜にしてついに高速の使用を学び、班長と運転を代わりつつ無事に宿に帰投しました。


寝る前に朝焼けが見えた



〜4日目〜

 最終日です。と言っても、今日はレンタカーを返しに行くだけで合宿終了。班としての活動はありません。空港でみんな順次解散します。
 車がなくなると採集は難しいですが、空港から那覇市街へ伸びるモノレール沿いに一箇所、駅から近い大きな公園があるので、久しぶりにちゃんとした昼飯を食べてからそこへ行きました。
 公園に入ると入り口近くのベンチに見慣れた荷物がたくさん置いてあり、公園内を歩き始めると班長はじめ多くの虫班員に遭遇。考えることは皆同じでした。各自さらに虫を採ったり、写真を撮ったりしていました。一年生の一人がオオシマルリタマムシを採っていたようで、季節的に厳しいかと思っていたので嬉しかったです。僕も、採り損ねていた蝶を採ったりして沖縄最後の採集を楽しみました。


青空バックのオオゴマダラの飛翔(撮影:T.K.)

青が煌く一瞬(撮影:T.K.)


(撮影:N.T.)


(撮影:N.T.)


(文責:幹事長)

2018年5月2日水曜日

八丈島新歓合宿〜虫班編〜

お久しぶりです、虫班です。
長らく活動の記事を更新できていませんでしたが、4月末に当サークルの新歓の目玉である八丈島合宿を行ったので、久しぶりに採集記を書こうと思います。

毎年恒例のこの合宿ですが、僕は去年この合宿をサボって北海道にオサムシを採りに行ったので、新入生として参加した一昨年の合宿以来初めての参加でした。

合宿の日程は4日間ですが、夜出発で片道10時間のフェリー移動なので実質活動できるのは2日間。


というわけで早速フェリーに乗り、いざ久しぶりの離島へ。


夜に竹芝桟橋を出発し、一晩中波に揺られて翌朝に八丈島に到着する予定です。
出港後しばらくはみんなで甲板に出てベイエリアの夜景を眺めます。が、相当風が強く肌寒いのでみんな早々に船室に撤収。

荷物に埋もれて寝ます



〜活動1日目〜

翌朝、起床して甲板に上がると、二つの山で構成された特徴的な島影が見えました。あれが今回の目的地の八丈島です。八丈島はあのひょっこりひょうたん島のモデルとも言われているそうです。僕がギリギリ記憶にあるレベルなので、新入生は知らないかも。

右に見えるのは八丈小島

合宿中は、港近くのキャンプ場でテント泊です。島に着いたらみんなでキャンプ場まで荷物を運びテント設営。設営を終えると早速班ごとに分かれて活動に出発します。

虫班の主な狙いは、ハチジョウカラスアゲハと八丈特産の各種クワガタです。
まずはみんなで蝶採集に出かけます。島唯一のスーパーらしいスーパーで昼飯を調達し、車で移動。去年は天気に恵まれず全然蝶が採れなかったそうですが、今日は素晴らしい蝶採集日和です。車を走らせている間も、道路上を飛んでいるハチジョウカラスアゲハを多く見かけました。あとキジも見かけたのですが、警戒心が薄いのか車でかなり近くを通っても逃げませんでした。

ポイントに到着し、みんなで網を持って採集開始。虫捕りが初めての新入生もいるので色々教えながら道を歩いていきます。



写真の通り素晴らしいコンディションで、蝶の数も去年とは比べものにならないほど多いです。しかし見えるのと採れるのは別の話。薮の向こうに飛んで行ったり上空に舞い上がったりと自由自在な蝶にみんな翻弄されます。
新入生にやり方を見せなきゃということで、みんなの前でネットイン。

ハチジョウカラスアゲハ

本土のカラスアゲハに対し、八丈島亜種という扱いになっています。本土産より後翅の青みが強いと言われています。
ハチカラを探して歩いていると、時々ハチカラの深い青とは違う爽やかな水色のアゲハが素早く飛んでいきます。

アオスジアゲハ

こちらは八丈特産というわけではないですが、本土のものより斑紋異常型が出やすいことが特徴です。今回見られたのはエサキ型という斑紋異常で、前翅の青筋の中ほど前縁よりに通常は存在しない青紋が発生します。上の写真の個体も、かすかですがエサキ型の紋が出ています。しかしアオスジは他の蝶に比べて高いところを速く飛ぶので、なかなか捕まえられません。
ハチジョウカラスアゲハとアオスジアゲハの他には、ナミアゲハやアカタテハ、シジミチョウ類も多く見かけました。蝶以外では、他の班員が道に落ちていたリュウキュウツヤハナムグリを拾っていました。あと、蝶を探していたら林縁の梢に大きな甲虫が飛来したのが見えたので、網ですくってみたらなんとクロカタビロオサムシでした。
また、蝶を探して歩いていると、道をダッシュで横切るニホンイタチを何度も見かけました。かなり数が多いようでしたが、調べたところ昔ネズミ駆除のために島に放されたそうです。

キャンプ場付近で見かけたニホンイタチ

13時ごろ、みんな疲れ果てたところで蝶採集を切り上げて、良い景色を見ながらお昼ご飯を食べました。新入生のみんなも蝶採集に満足できたようです。

休憩を挟んだら午後はクワガタ採集へ。またしばらく車を走らせて、Googleマップで目星をつけていた森に到着。朽木の材割り採集なので新入生にやらせるにはちょっと地味ですが仕方ない。
森に入れる所を探しながら道を歩き始めてすぐ、近くにあった細い木の奥が少し入れそうだったので覗き込んでみました。するとその木の裏側が浅いウロになっていて、黒光りする甲虫が奥で動いるのを発見。クロカタビロかなと思いながらすぐに掴んで取り出すと、なんとこれがノコギリクワガタでした。

ハチジョウノコギリクワガタ

ハチジョウノコギリクワガタは本土のノコギリクワガタと比べるとかなり小さい個体がほとんどです。また、本土のノコギリは赤茶がかった色をしていますが、ハチジョウノコは真っ黒になります。かっこいい。
しかし材割り採集をしようとしていたのにまさか活動中とは。
活動しているなら、ということで同じ木の根元の落ち葉と土を軽く掘ると、もう2匹同じくらいの大きさのオスが出てきました。

どうやって探せば良いのかよく分からなくなってしまいましたが、とりあえず材割りもやってみます。
しばらく森に入れる場所があまり見つからなかったのですが、なんとか森に降りられる場所でいくつか材を割ってみると、今度は新入生がコクワガタの方を出しました。

ハチジョウコクワガタ

こちらは立派なサイズ。本土のコクワが黒いのに対し、ハチジョウコクワは赤茶がかっています。ハチジョウノコと逆ですね。もう一匹やや小型のオスが出ましたが他はイマイチ。他の新入生も朽木割りは飽きてそうだったのでここで終了。

その後、八丈島の観光スポットである黒砂砂丘に登ってみました。

島側

海側

切り立った岸壁の上に黒い砂利の急斜面が広がる絶景でした。
1日目の日中の活動はこれで終わりにして、長い船旅と採集の疲れを癒すべく銭湯へ。露天風呂からは広大な太平洋が見えました。

海に沈む夕日を眺める

キャンプに帰ると夕飯作り。メニューはカレーうどんと水班が釣ってきた魚を使った料理。新入生と現役みんなで楽しく作っていました。

新鮮な刺身。とても美味しかったです。

食後は軽くナイター活動ということで再び車を走らせて林道に向かい、歩いているクワガタを探してみました。しかし見つかるのは大量のアマミサソリモドキばかり。オオゲジとアシダカグモも見られて奇虫祭りでした。

アマミサソリモドキ

結局、かろうじてハチジョウコクワのメスが1匹見つかったのみでこの日は撤収。テントで眠りにつきました。



〜活動2日目〜

7時くらいに起床。夜はやや寒くて時々起きてしまいました。朝ごはん代わりに飲んだあら汁が体にしみました。

今日は1日中クワガタを掘り続ける修行チームと、昨日と同じく昼まで蝶を採り午後は緩めに活動するエンジョイチームに分かれます。僕はもちろん後者です。修行チームは僕らが起きた頃に早速出かけて行きました。

今日はまず、昨日とは違う場所に行ってみます。まだ朝早いせいか道中蝶は飛んでいません。目的の林道に到着し、しばらく歩き回ったものの、あまり蝶がいません。ハチジョウカラスアゲハを少しだけ見かけましたが、何やら微妙な感じです。まだ気温が低いのか、それとも場所が悪いのか。
適当に歩き回っていたら、山にトンネルが掘られているのを発見しました。

覗き込んだらこんな感じ

おそらく戦時中に防空壕として掘られたものと思います。八丈島は、地上戦は起こっていないものの、戦争末期には防衛拠点として多くの日本兵が配備されたそうです。

結局蝶はあまり見られず、2日目から虫班にきてくれている新入生もいるということもあるので早めに昨日のポイントへ移動。

今日も好天に恵まれて気温もどんどん上がり、ポイントに着く頃には昨日と同じく多くの蝶が飛んでいました。
ハチジョウカラスアゲハのメスも多く見られ、新入生たちも採れていました。

ハチジョウカラスアゲハのメス

メスの方が発生が遅いので完品が多いです。メスを採っていた人曰く、スレが少ないせいか緑色が強い、とのことでした。新入生や後輩が採ったメスを見せてもらいましたが、確かに緑が強めでスレが少なかったです。一方僕がネットインしたハチジョウカラスアゲハは1匹残らず全てオスでした。僕は、せっかくハチジョウカラスアゲハなんだから青い方がいいと信じています。

後半はさすがに蝶を追う気力が失せて、イタチを追ったりしていました。新入生も満足した様子だったので、お昼を食べて一旦市街地へ。

その後は特に採集はせず、昨日とは別のメンバーを連れてまた黒砂砂丘に登ったりしました。砂丘の頂上は高山のような植物相でしたが、枯れ木をひっくり返したら砂に埋もれたハチジョウコクワのメスが見つかって少し驚きました。

夕方雨がぱらついたので早めに活動は終了し、昨日の銭湯へ。風呂上がりにロビーでゆっくりしていたら突然大雨が降ってきました。さすが亜熱帯気候。ずっとクワガタを掘っていた修行チームも同じタイミングで銭湯にやってきて、虫班みんなでロビーで雨を眺めながらダラダラしていました。みんなさすがに疲れた様子でグッタリ。修行チームの方もたくさん採れたようです。新入生には中々ハードだったと思いますが、楽しめたのではないでしょうか。

銭湯のロビーで見つけた、個人的に面白かった張り紙。
旧日本軍の拳銃がまだ民家に眠っているようです。

夕飯はみんな集まって宴会。島の料理が美味しかったです。未成年やドライバーが多いのでアルコールはほとんど無しでしたが、なぜか酔ったようなテンションの人が多くて楽しかったです。

そして最終夜はナイター活動へ。虫班はいつもの灯火採集に行きます。風は弱く夕方の雨で湿度は高め、ただ一点の問題は煌煌と島を照らすまばゆい満月。さっきまで厚い雨雲が広がっていたと思ったら、いつのまにか雲は完全に晴れていました。
非常に厳しい状況ですがとりあえず二手に分かれてそれぞれ灯火ポイントに向かいます。

ポイントについて早速白幕を広げてライトを点灯。しばらく散歩したりして待ちましたが、、、
全く大きい虫が来ない。

大型蛾はおろか中型蛾もほとんど来ません。違う場所で灯火を焚いたグループもダメなようで、灯火は諦めて街灯を見回って帰ることにしました。
しかし街灯も全然虫が飛んでいない。

かろうじて見つけたアカハライモリ。八丈島産は赤紋の発達が強い。

走る車の助手席から路面を眺めながら、もうダメかなぁと思っていたその時、白い三角形の物体が落ちているのが一瞬でしたが見えました。
車を止めてもらい、走って確認に戻ると、そこには想像通りの姿が。

オナガミズアオ

オオミズアオとよく似ており、本土だとこちらはレアですが、八丈島にはオナガミズアオしかいません。どこが違うかと言われると、正直よく分からないですねこれ。色々判別ポイントは言われますが、あまり明瞭ではないです。実は昨晩キャンプ場の目の前に一匹いたのですが、今晩もなんとか見れました。
これは自慢してやろう、ということでもう一方のグループに写真を送りつけてキャンプ場へ帰投。先ほどの写真に返信が来ていたので見てみると、たくさんのオナガミズアオとシンジュサンを手に笑顔を浮かべる彼らの写真が送られてきていました。うっそだろお前…。
まさかの特大カウンターをくらい、悔しさに震えながら八丈島最後の眠りにつきました。




翌朝はあまりの暑さに目を覚まし、予定より早めにテントを撤収しました。そして集合写真撮ったりお土産買ったりしてから帰りのフェリーへ。また10時間波に揺られて本土に帰ります。

ベイエリアの夜景と満月

陸に上がってしばらくは、頭がグラグラ揺れているような感覚でした。
自分はもう八丈島に行くことはないかもしれませんが、新入生のみんなが生物同好会に入って、来年再来年に次の新入生を八丈島に連れて行ってあげてくれたらいいなと思います。
(文責:幹事長)