2014年10月31日金曜日

ベニヒカゲと戯れる。

こんにちは。虫班のT掛です。
今回は題名のとおり日本海側へ遠征してベニヒカゲを採集しました。
本州では高山蝶とされるこのヒカゲチョウはヒカゲと名の付くくせに日のよく差し込む草原を飛び回っています。
さっそく山を登ります。
ベニヒカゲの生息環境。
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もうそろそろ秋ですね、リンドウが咲いていました。
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僕が山野草で一番好きな花です。
花言葉は悲しんでいるあなたが好きというwwドSなのかな?
広い草原にはミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモンを始めとする大量のヒョウモンとクジャクチョウが飛んでいました。
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クジャクチョウ、なかなか美しいチョウです。
写真 1 (10)
常連、アサギマダラも。
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しばらく歩いていると遠くのほうでフラフラ飛んでいる黒いチョウが!!
間違いない。50メートル5秒の足は健在なことに賭けてもうダッシュします。
サンキュー。アザミの花やヒヨドリバナなどで吸密している固体もちらほら後で見かけました。
ベニヒカゲ
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ベニヒカゲは産地によって結構変異があるらしく、ここのベニヒカゲは下翅にもしっかりベニ紋がでるみたいです。
ある程度時間が経つと大雨が降ってきました。一時雨宿りです。
雲の状況をネットで見ると、あと2時間ほどで晴れそうでした。
しっかり晴れたのですが最初30分ほどは深い霧が出てしまい採集不可能になりました。まぁ、霧が晴れるのも根気強く待ちます。
日が差してくると、いっせいに雨宿りをしていたヒョウモン、クジャクチョウが近くの花で吸密。圧巻です。
写真 5 (7)
たんぢはもうちょっと上を見てくると上へ。私はさっき採れたあたりを探しました。
雨が降って気温が下がったためかまったく見当たりません。結局、最後まで午後は採れませんでした。
合流してたんぢに上の状況を聞いたら、うえはベニヒカゲが最優先種だったとのこと。
ベニヒカゲギャラリー。
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おそらくよく晴れて、気温が上がって活発になると下のほうに降りてくるようです。発生している場所はもっと標高が上の方のようですね。
貴重なチョウを夏の高原で愛でる。とてもすがすがしい一日でした。

怠慢だらけの生物部、IN隠岐の島合宿

どうも、最近連続で活動報告を書いているT掛です。
今回は、母校の高校の生物部の同期と隠岐へ昆虫採集、釣りをしに行きました。
狙いはオキマイマイカブリ、オキヤコンオサムシ、オキオサムシです。
オサムシは飛べません。後翅が退化しています。なので、日本海の孤島の隠岐に取り残されたマイマイカブリは西日本のホンマイマイカブリと少し違う形態、生態へ少し変わっています。
飛べない虫は飛ぶ虫のように遠くへ移動できません。ましてや今回の隠岐のような離島は当たり前に他の地域の個体と遺伝子が混ざることがありません。
なので、他の地域の違った遺伝子を持つ個体群と交配することができず近親交配を繰り返す結果、少しずつ違う亜種へと分化していきます。マイマイカブリなどは近親交配のせいか、奇形がよく見つかります。近親交配を繰り返し続けるので、飛べない虫は亜種へと飛べる虫よりも分化しやすいのです。
今回のオキマイマイカブリ、オキヤコンオサムシ、オキオサムシはそういった過程を経て分化していったであろう昆虫達です。
とりあえず、隠岐へ向かいます。
隠岐行きの船
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松江市までの運転で疲れていた私は眠っている間に隠岐に到着しました。
今回は夏のオサムシ採集ですのでセオリーどおりベイトトラップで採集します。
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紙コップ200個にさなぎ粉と一味唐辛子を入れてます。これを足がボッコボコになるまで蚊に血を与えながらいろんな所に埋めました。しかも、一人で・・・・・・。
高校の生物部の同期は両生類、爬虫類、魚類が好きなやつらだったのでオサムシには興味があまり無いようです。
北海道の大学に行ったJ鳥君、夏に友達からオオルリオサムシもらってたじゃないか・・・・・・なんで手伝ってくれないんだよ・・・・・・。
まぁ、でも、採れればオサムシ独り占めだしいいです。
一日目は回収しに行きましたが残念ながらカニやコオロギが入り散々な結果に。まぁ、まだ二日ありますし気長に待とうと、とりあえず釣りに行きました。
夜釣りです。潮は残念ながら引いてます。それでも、魚影はあるので諦めずにやってみました。
大漁です。
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カサゴおっきいです。K久野君のロングのラークと比べても結構大きいのがわかります。
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カサゴの口は大きいですね。
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他にはタイやシロギスなんかも釣れました。
まぁ僕はボウズだったんですけどね。
ゴカイをエサにしてもタイって釣れるもんなんですね。
二日目
とりあえずダラダラ起きて隠岐を観光します。とりあえずの腹ごしらえです。
隠岐といったら海産物なのではないでしょうか?
海鮮ドーン!
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隠岐ってイクラ採れなくね?って思ったら負けなのでしょうか。でもすごく美味しかった。
どこか、いい観光地って隠岐にあるのか?正直、離島で釣り、虫採りをする以外のことを考えてなかった僕らはつまづきます。
まぁ、地元の方の優しいお言葉を頂き、壇鏡の滝というところが良いとのこと。
行ってきました、ドーン。
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初めて神秘的だと思ったかもしれません。素晴らしい。
流石に普段屑な私達もテンション上がります。写真、いっぱい撮りました。
すると、滝つぼにあった石になにやら黒光りする濡れた塊が。
なんだ?
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オキマイマイカブリサンキュー!!なんでお前こんな滝のど真ん中いんだよ!!
まぁ、昨日の夜僕らが釣りに行く前雨がかなり強く降ったので上流から流されてしまったのでしょうね。
ベイトに全く引っかからないくせにこんな偶然な採集が成立してしまうとは。
滝は満喫しました。このあたりには隠岐固有種、流水性サンショウウオのオキサンショウウオがいると定食屋のおばちゃんがいっていました。
定食屋さん「あの滝にはね~、ウーパールーパーがおるんよぉ。見れたら運がいいけ、見に行ってみんさい」
とのお言葉。なにやら隠岐の人的にはオキサンショウウオ≒ウーパルーパー的な認識みたいです。
よさげな沢を探します。
その間にシマヘビ採れました。
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離島のシマヘビですしやはり地域変異があるのでしょうか。屋久島のシマヘビが黒化して大型化するのは有名ですが。
ぱっと見ただけでは本土の個体とあまり変わらないですね。
他に、だらだら座ってたらルリタテハが飛んでいたので採集、また足元をちょろちょろとする甲虫がいると思ったらオキオサムシでした・・・・・・。
採りたいものほとんどここで採れたじゃん・・・・・・偶然だけどさ。落とし穴200個作った苦労はなんなのか。
オキサンショウウオは早くて写真が撮れなかったのですが観察することはできました。
黄色の斑紋が入り、細いスタイリッシュな流水環境に適応した体つきをしていました。
一説によると、オキサンショウウオは本来止水性のサンショウウオを先祖に持ち、隠岐に取り残された結果産卵環境の止水がなく、流水に適応せざる終えなかったのではないかと考えられています。それは、同じく離島の対馬に生息するツシマサンショウウオも同じです。
オキマイマイカブリとオキオサムシのツーショット
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オキマイマイカブリの特徴はお尻の近くの翅のトンガリであるムクロと呼ばれる部分が西日本のホンマイマイカブリのように発達しないことです。大きさや足の長さ、首の細長さなどはホンマイマイカブリと似ています。
オキマイマイカブリのムクロはあまり発達しないの巻
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オキオサムシは中国山地を中心に生息しているダイセンオサムシの隠岐の地域変異です。他のオサムシと同じく昆虫の死体やミミズを食べる夜行性の昆虫です。本土のダイセンオサムシは色が黒っぽい色なのですが隠岐では少しくすんだ赤色になります。
房総半島南部のアオオサムシが赤い色になるようにオサムシは同じ種類であっても場所によって別の種類のような色や大きさになることがしばしばあります。
壇鏡の滝、恐ろしく素晴らしい自然環境が残る地のようです。
ちなみにこのときたまたま、旅番組のロケ中の玉木宏と遭遇。イケメンでした。
大きな網を持っていたので玉木さんに半笑いでつっこまれました。
後日、その様子は珍奇な青年達と遭遇したということでしっかり旅番組で放送されたようです。
隠岐での目標はほぼ達成です。オキマイマイカブリ、オキオサムシ、玉木宏さんと新鮮な出会いをして、隠岐の旅は充実したものとなりました。
魚はアラ汁にして食べました。
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アラ汁を作ってる間に僕は外でクツワムシと遭遇していました。クズしか食べないためクズがなくなるといなくなる最近あまり見かけない虫です。
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最後に、隠岐の風景。
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隠岐牛のステーキ。
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いいところですよ。また行きたいです。

福島 土場とオオクワとキマルリと

こんにちは、虫班長です。
更新するのが遅くなりましたが、6.7月の福島の採集記を書こうと思います
ではでは駄文にお付き合いください〜〜〜
梅雨がもう少しで明けようとするこの時期、特に虫の数も種類も多く発生してどれを狙うか困る時期です
さてさて困ったものだなんて思うのだが、決めていかねばならず、行き先は福島へ。
キマダラルリツバメという、蟻と共生する不思議なチョウを狙いに。
福島には6/14.15にも行っており、またこの採集が不完全燃焼に終わったため、リベンジしたかった。
金曜夜に集合し、一路福島へ向かう。
途中栃木の牧場付近で灯火採集。

オレンジオサムシ



ミヤママイマイカブリ

セアカオサムシをK生さんが採っていたのが羨ましかった。
今日はここで寝ることに。
翌日、高速をかっ飛ばして猪苗代湖の麓へ。
ゼフィルスを狙おうとしたのだが、アカシジミやウラナミアカが少しいただけで、時期が早すぎたみたいだ。

I川がウラジャノメを採っていた。
東京にはいない虫。
裏の模様が素敵だ。
次に本命キマダラルリツバメ(キマルリ)を狙いに。

やってきたのは桐の古木がまばらに生えている草原
キマルリの幼虫はハシブトシリアゲアリの巣の中で育ち
このアリの巣の中で羽化まで過ごす。
成虫になると巣の中から出てきてヒメジョオンなどの白い花を吸蜜する。






ヒメシジミやヒョウモンの類はたくさんいる。なんでも、ヒメシジミがいることが福島のキマルリの前提条件らしい。
中々見つからない、がようやく黄斑模様のヒメシジミサイズのチョウを見つけた。

尾状突起が一つの翅に二つあるのもキマルリの特徴で、こんなチョウは日本にはキマルリしかいない。
綺麗だなあ、裏の斑模様と表の青と黒の二色のツートンといい、日本のチョウという感じがしないですね。
さてさて次は土場に向かい


皆でカミキリやタマムシを見つけます。
すると丸太に鎮座する黄色いサペルディーニが、、、!!

シナカミキリ
シナカミキリ! サペルディーニというのはカミキリの一グループで、全体的に地味な色の多いカミキリに比べ綺麗な種類が多いみたい。


お次の土場では…

ニセヤツボシカミキリ
ニセヤツボシがいた! ハルニレの新しい材木置き場があってたくさんきていた!
またさらにブンッと飛んでは逃げる小さい虫を追っかける。

キンヘリタマムシ!このギラギラの輝きが美しい。

6月の遠征はざっとこんな感じ。
7月の遠征ではゼフィルスも狙いに行った。
朝にはゼフィルスを見つけに車を走らせる。
何種類かみられ

ジョウザンミドリシジミ


エゾミドリシジミかな?
この二種類は特に多かった。
また他に

クジャクチョウも。
クリソゼフィルスがあまり採れなかったのは悔しかったが、他のゼフィルスは有り余るほどいて、テリ張り行動がたくさんみられ、5頭くらいが連なって飛翔している様は印象に残っている。
他にも

夏型のミヤカラ

オオミスジ

ムカシヤンマ

コムラサキを採集。
夜には オオクワガタ採集をした。
いやあこれも凄かった。
また6月の遠征に行けなかったK所やY嶋がキマルリを採りたがっていたのでS木さんに教えてもらったポイントにもう一度行くことにした。(S木さんありがとうございました。)
1週間ずれてボロが増えたかと思いきやそうでもなく、新鮮なオスもいて皆楽しめた様子。

吸蜜するキマルリ。
今回の遠征は行く所全てで一定の成果を挙げられたためとても充実した成果になった。
最後になりましたが、S木さんK生さんポイントやアドバイス有難うございました。


今回の遠征のベストショット笑